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7pay問題「ITオンチ」のトップを生む日本企業〈技術軽視の病〉

日本企業の問題を象徴している
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露呈した日本企業の弱点

7payの不正アクセス事件では顧客情報の管理システムそのものがあまりにも脆弱だったうえに、運営会社の社長が「2段階認証」のシステムを知らなかったことで人々の驚きと失笑を買った。

しかし冷静に考えてみると、この会社、この社長だけが特別なわけではなく、同様の失態はどこで起きてもおかしくない。ある意味で今回の会見は、日本企業が抱える致命的な弱点を浮き彫りにしたといってよい。

日本企業の経営層にITの知識が乏しく、それが企業の国際競争力の低さにもつながっていることは以前から指摘されてきたことだ。しかし問題はトップにITの知識がないというレベルの話にとどまらず、根っこはもっと深いところにある。日本企業の人事システムそのものがいまの時代に通用しなくなっているのであり、今回の一件はそれを象徴的な形で示したにすぎない。

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日本企業はこれまで、広い視野と経験を備えた「ゼネラリスト」の育成を看板に掲げ、人事を行ってきた。そのシステムのなかで頂点に登りつめた人物が経営者である。

しかし、それを額面どおりに受け取ってはいけない。「ゼネラリスト」といえば聞こえはよいが、裏を返せばこれといった専門領域をもっていないことを意味する。「何でもできる」は「何もできない」のと紙一重なのだ。とくに日本の事務系ホワイトカラーは、ゼネラリストという名の「素人集団」に近いのがむしろ実態であり、その「素人」がトップに立って経営の実権を握っているといっても過言ではない。

周知のように文系の学生は出身学部とはほとんど無関係に、主として大学の偏差値と面接で採用され、採用後は専門と関係なく各部署に配属される。その時点で仕事への適性も能力もまったく担保されていないわけであり、いわば白紙の状態で仕事に臨むわけである。

 

ただ専門知識がなくても会社に入ってから実務をとおして学ぶことはできるし、また大企業では充実した研修プログラムを取り入れているところも多い。しかし、採用後も数年単位で異動(ローテーション)が繰り返される現状のもとでは、浅い知識・能力しか身につかない。そして、こうした企業の在り方こそが、後述するような「専門家軽視」「技術者冷遇」の風潮を生み、平成日本の「失われた30年」に繋がったとも言える。

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