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中国に従い、母国に逆らってきた「反逆児」グーグルの変節

なぜ突然、大人しくなったのか…?

ファーウェイ制裁に伴って

「ついに米政府の軍門に下ったか」

外事関係者が米国の巨大IT企業・グーグルに対して、そうコメントした。中国の通信機器大手であるファーウェイ(華為技術)への対応を指してのことだ。

グーグルは、米政府が5月17日にファーウェイに対する部品等の輸出規制を発動するや、即座にそれに従い、ファーウェイとの取引を一部停止した。だが同月20日には、米政府が規制を90日間猶予すると発表するや、これまたすぐに同社との取引を90日間継続するとしたのである。もはや米政府の言うがままだ。

 

制裁に伴い、ファーウェイはグーグルの携帯端末向けOSアンドロイドの最新版にアクセスできなくなる。その結果、ファーウェイ製のアンドロイド採用スマートフォンの最新版でもGmailが使えなくなるほか、YouTubeなどグーグルの関連アプリも使用できなくなる可能性が高い。

主力事業のひとつであるスマホのOSを米企業であるグーグルに握られている以上、ファーウェイの今後は米政府の掌の上にあるようなもの。そして現在のグーグルは自ら、米政府の「先兵」となっているようにも見える。

「グーグルの歴史を振り返ると、これまでは長年、米政府に反発する一方、むしろ中国に恭順の意を示すような態度を示してきた。しかしこれを機に、中国とは完全に関係断絶となるだろう」

外事関係者はそう語る。なるほどこれまでのグーグルは中国政府に従順であった。

そもそもグーグルは創業以来、行動規範として「Don’t be evil(悪いことはしない)」を掲げてきたにもかかわらず、2006年に中国市場に参入した際には、民主化運動や少数民族問題など、中国政府の望まない情報を検索結果から非表示にする「検閲」を自ら行ったばかりか、中国政府による介入も受け入れていた。

外事関係者が続けた。

「元従業員が昨年、告発した。2001年から2007年までソフトウェアエンジニアとしてグーグルに勤め、世界中の新聞や雑誌記事を表示する『グーグル・ニュース』を担当していたヴィジャイ・ボヤパティという人物だ。ボヤパティ氏によれば、中国政府は検索結果に不都合な内容が混じっていると15分以内に削除するよう要求し、グーグルはそれに従っていたという」

グーグルは2010年、検閲やサイバー攻撃を理由に中国から撤退したが、その直前までこうした当局の干渉が続いていたともいう。