個人投資家が吸い寄せられる「トルコ・リラ」のヤバいリスク

日本人は特に注意が必要です

昨年夏、“トルコ・リラ”が米ドルに対して急落した。急落によって、多くの本邦個人投資家が痛手を受けたようだ。その後、世界経済の先行き懸念も重なり、新興国通貨はかなり売り込まれた。一方、2019年の年明け以降は、米国とユーロ圏の中央銀行がハト派姿勢を明確に示し、わが国の個人投資家のリスクテイクが息を吹き返している。

3月下旬、再度、トルコ・リラが大きく下落した。その後もリラは軟調だ。それでも、高金利ゆえに、トルコ・リラはわが国の個人投資家に人気がある。短期間で世界経済が腰折れの状況になるとは考えづらいものの、新興国の政治・経済状況は国ごとにかなり違う。資産を守るには、何がその通貨の本質的なリスクであるかを冷静に理解することが重要だ。

 

高金利、新興国に惹かれる日本人

もともと、投資資金は、相対的に高い名目金利に引き寄せられる傾向にある。水は高いところから低いところに向かうが、それと反対に、お金は金利の低いところから高いところに向かう。冷静に考えると、これはごく当たり前の心理に基づいている。「少しでも高い金利を受け取りたい」という考えは、多くの人に当てはまるだろう。

わが国の個人投資家を見ていると、“高金利”と“新興国”という二つの要素に関する関心がかなり強い。まず、個人投資家にとって表面の利回りが高い資産は、“垂涎の的”だ。わが国では、国債の利回りが低水準で推移し続けている。すでに、長期金利(新発10年国債の流通利回り)はマイナスの水準だ。個人投資家の高い利回りへの渇望は非常に強い。

その上、世界経済の中でも新興国は想定的に高い経済成長率が期待できる。それを理由に世界の投資資金が新興国に向かいやすく、先進国通貨に対して堅調な展開が期待できる。加えて、インフレや財政などのリスクは、先進国に比べて高い傾向にある。そうした上乗せのリスクを反映し、新興国の現地通貨建て国債の利回り(名目金利)は、先進国よりも高い。

高金利であり成長期待も高いという条件を満たす新興国通貨の為替レートが一定であると仮定すると、わが国の投資家にとって新興国通貨への投資はより有利な利得を手にするために重要だ。この考えに基づき、リーマンショック後、わが国の個人投資家の間でブラジル・レアルへの人気が沸騰した。近年は、トルコ・リラが注目を集めている。

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