「日本は移民が少ない」という誤ったイメージが定着している理由

「在留外国人300万人時代」は目前に
現代ビジネス編集部 プロフィール

4月から何が変わるのか?

こうした文脈の中で、2018年末には入管法が改正され、この4月からさらに外国人労働者の受け入れが加速します。では、具体的に何が変わるのか。

今回の入管法の改正は、大きな変化であると同時に、これまでの延長線上にあります。その両面を正しく理解してほしいです。

4月に「特定技能」という名の新たな就労目的の在留資格が設けられます。特定技能は1号と2号に分かれ、1号は最長5年で家族帯同ができず、2号は家族帯同も可能です。

4月から1号が開始となり、今後5年間で最大34.5万人を受け入れる見込みです。2号は遅れて2021年度から開始することになっていますが、現状は受け入れ分野も非常に限られているため特定技能での受け入れは1号が中心になると考えられます。

34.5万人の内訳は、介護の6万人を筆頭に、外食の5.3万人、ビルクリーニングの3.7万人、農業の3.65万人とつづきます。

重要なことは、受け入れ14分野のうちの大部分がすでにその多くが日本で働いている技能実習生からの移行のみで開始するということです。

つまり、新たに外国人が入国するということではなく、すでに日本で働き暮らす技能実習生の滞在を長期化させるという形がメインなのです。

技能実習生の受け入れは続いていきますから、技能実習と特定技能の合計は純増していきます。

特定技能による当初5年間の最大受け入れ見込み人数

同時に、外食や宿泊といった分野では、アルバイトとして働いていた留学生が、日本語学校などからの卒業後に特定技能へと移行して就労し続けるケースも生まれていくでしょう。

現在はコンビニなどの小売業は特定技能の対象分野に入っていませんが、業界側の要望によって今後含められる可能性もあります。

 

ここまでの話を簡単に整理してみましょう。

4月から何が変わるのか。

それは、技能実習生や留学生として入国した事実上の外国人労働者たちによる在留期間の長期化です。

2年、3年ではなく、それが5年、10年へと伸びていきます。その間にはこれまで以上に様々な人間関係(職場、友人、恋愛、結婚、妊娠、出産・子育てなど)が生まれるでしょうし、日本での定住を考える人もいるでしょう。

しかし、特定技能の1号は技能実習と同じく家族帯同を認めていません。母国にいる配偶者や子どもと暮らすことは認めないということです。そして定住へとつながり得る特定技能2号は狭き門になりそうというのが現状です。日本で長年働いて定住したくてもできない可能性もあるのです。

単身の健康な労働者に人手不足の分野で働いてほしい、でもいつかは帰ってほしい——こうした外国人労働者に対する態度は特定技能でも大きな変化がないように見えます。