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TPP11の中心国・日本は世界再編のキャスティングボードを握るか

脱EUの英国を取り込め

現代にも通用する脱亜入欧論

1885年(明治18年)3月16日の新聞『時事新報』の社説として掲載された『脱亜論』はあまりにも有名である。

無署名ではあったが、色々な状況から、福沢諭吉本人が書いたものと考えられている。

ただし、彼が脱出すべきアジアとしたのはアジア全体のことでは無く、当時の支那・朝鮮、現在の中韓北3国を主に意味しているといえるだろう。130年以上前の時代において、現在ASEANと呼ばれている地域を含む他のアジア地域は、欧米の植民地になっていたり、極めて国力が弱かったりして重要視されなかったのではないかと考えられる。

なぜ、脱「中韓北」なのかは本記事の主題では無く、脱「中韓北」後に日本がどのように国際社会の中で地位を固めるべきなのかを論じるので、脱「中韓北」に関しては、当サイト1月9日の記事「客家・鄧小平の遺産を失った中国共産党の『哀しき運命』を読む」や、2018年12月26日の記事「米国に見捨てられたら、韓国は北朝鮮より先に『崩壊』する可能性」などを参照いただきたい。

簡単にまとめてしまえば、「自称・儒教国家」であるこれら3ヵ国は、「権力者がカラスを白いと言ったら、『仰せのとおり』と答えるのが正しい」、「強きを助け、弱きをくじく」価値観を持つ。それに対して、日本などの先進国においては、「弱者救済」が社会的コンセンサスであり、逆に「弱者を装った被害者ビジネス」が横行しているくらいである。

<中韓北>3国は、このような先進諸国の国民を欺こうと、根拠のない話を創りあげて「我が国は被害者だ」と声高に叫ぶ「被害者プロパガンダ」も熱心に行っている。

さらに、「自称・儒教国」の根幹である「権力者は法律やルールを守らなくても良い」という話を持ち出されては、「自由平等」の原則に基づいた、お互いを尊重する<契約>や<約束>に基づく、国際貿易や外交など行いようが無い。

日本が脱<中韓北>すべきなのは自明だと考えるが、その他のアジア諸国とは、<中韓北>の横暴に対抗するために、むしろ密接なつながりを持ち協調する必要があると考える。

 

EUは滅亡寸前の恐竜

「脱亜」とセットのように語られるのが「入欧」である。確かに、130年以上前を振り返れば、「自由平等」という価値観を基礎に「対等な関係での契約」を基にした関係を築ける「価値観を共有する国」といえば、ほぼ欧州しかなかったといえる。

1791年にジョン・ケンドリックという野心的な商人が2隻の船とともに紀伊大島に上陸したのが、日本を訪れた最初の米国人とされるが、これは1776年に「独立宣言」が採択されてからわずか15年後である。

1853年にペリーの黒船が浦賀に来航して、「泰平の眠りを覚ます上喜撰、たつた四杯で夜も眠れず」という句が読まれた後、米国・南北戦争が1861~65年の4年間にわたって「奴隷制度」などを争点として起こっている。当時の米国は欧州から「奴隷制度」を有する後進国とみなされていたのは間違いない。

したがって、1885年の脱亜論では、「欧州」が主要な存在であったといえる。

しかし、現在の「欧州」を考えるときには、欧州を1つのものとして考えてはいけない。確かにEUは恐竜のように巨大化したが、内情はぼろぼろである。(これに関しては、当サイト2018年10月15日の記事「ブレグジッドは大正解 英国よ沈みゆくEUからいち早く脱出せよ!」や、2018年12月17日の記事「パリから始まる反グローバリズムのうねりは『世界革命』に移行するか」を参照いただきたい)。

EUが破滅に向かう理由をまとめてみると

1) ユーロという共通通貨を採用しながら、各国の財政政策を統一しなかったという致命的誤りを犯した。
2) ひたすら巨大化を目指し、経済状況や価値観がかなり異なる旧東欧圏までも含有し、身動きが取れないほど巨大化した。
3) 政治面ではフランス、経済面ではドイツが牛耳り、権力はEU官僚が握る「全体主義」が蔓延している。
4) 短期的な混乱は別にして、ブリグジットが長期的にメリットをもたらすものであることが分かれば、各国でくすぶっているEU離脱派の勢力がまし、EUは崩壊する。

ドイツの全体主義は「ナチス・ドイツ」に代表されるだろうが、フランスもかなり全体主義的である。

「フランス革命」や米国に贈った「自由の女神」のイメージが世界にあふれている。しかし、1789年のバスティーユ襲撃を含むフランス革命後、1793年にルイ16世を斬首刑にしたのに、1804年には多くの国民の支持によって、ナポレオンが独裁者である皇帝の地位についている。

旧東欧圏、特に自由化後に成功できなかった人々の間には、共産主義時代を懐かしむ雰囲気が色濃くあり、旧東ドイツ(メルケル首相は旧東ドイツ出身で、子供の頃徹底した共産主義教育を受けている)も含めた国々は、実のところ先進資本主義諸国の価値観を共有しているとは言いがたい。

結局のところ、日本が強く連携すべき「欧州」とは、ジョン・ロックの「市民政府論」以来、真の意味での自由主義を信奉し、今後経済的にも繁栄することが予想される英国と、その文化的遺産を受け継ぐ、元々英国の植民地であった米国や英連邦(旧英連邦を含む)なのである。

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