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最大で2万円超…データで判明「アラフォー世代の給料」が激減していた

なぜ?「不遇の世代」に迫る危機

今年も就職活動が始まった。戦後最長ともいわれる好景気と、空前の人手不足の中で、就職活動は“超”売り手市場。最新の調査によれば、大学卒業者の就職内定率は98.0%。

調査以来、過去最高を記録している。

私は今、39歳。20年近く前、『氷河期』と呼ばれる時期に経験した就職活動は、全く様相が違っていた。当時は、憧れの企業に求人がなかったり、所謂“お祈りメール”すら届かなかったりするのも当たり前。引く手あまたの今の学生たちが、とてもまぶしく見える。

かつて、氷河期に就職活動をした人たちは、今、アラフォーを迎えている。NHK「クローズアップ現代+」では、2017年と2018年の2回に渡って、アラフォー世代を取り巻く危機の実態に迫った。番組で紹介したデータや、当事者たちへの取材をまとめた本が、この度、「」として出版された。

日本の労働人口を世代別にみてみると、35歳から44歳はおよそ1500万人。“アラフォー世代”が最も多い。人生の中盤を迎えて、まさに働き盛り。ただ、あなたの職場に、こんなアラフォーはいないだろうか? 仕事は抜群にできるのに、まだ管理職になっていない40歳前後の正社員。結婚しておらず、実家暮らしのベテラン外部スタッフ。あなたは、黙々と仕事をする彼・彼女たちの胸の内を想像してみたことがあるだろうか?

私たち取材班が、統計調査のデータを収集したり、当事者や専門家への取材を深めると、アラフォー世代には「仕事」「結婚」「介護」など、さまざまな人生の危機が降りかかっていた。今回は、そのうち「仕事」についての危機を紹介したい。

 

際立つアラフォー世代の“不遇”ぶり

まずはこのデータをみてほしい。2010年と2015年の大卒者・大学院卒者の月収を比較し、世代ごとにどのような変化があったかを一覧にしたものだ。

「アラフォー・クライシス『不遇の世代に迫る危機』」より

結果は、20歳から24歳では5200円アップ。25歳から29歳では8700円アップ。30歳から34歳では6400円アップ。45歳から49歳では2200円アップ。50歳から54歳にいたっては21100円もアップ。55歳から59歳も8000円アップしていた。どの世代も軒並み上昇…かと思いきや、なんと35歳から39歳では4300円ダウン。40歳から44歳に至っては、ひと月23300円もダウンしていた。

つまり、アラフォー世代“だけ”が、5年前と比べて給与が下がっていたのだ。

この調査は、公益財団法人・連合総合生活研究所の主導で行われた。調査をまとめた玄田有史教授(東京大学)にとっても、驚きだったという。

「最初は、これ計算間違いじゃないかと思って、何度か確かめてみたんです。でも、やっぱりそのぐらい大きな違いがあったんですね。ここまで世代によって毎月の給与に差が出ると思ってませんでしたから、本当にそれは衝撃的な数字でした」

いったいなぜ、アラフォー世代の給与だけが下がっているのか?玄田教授は、この原因は“社会に出たタイミング”にあるとみている。

「一番大きい理由は、日本にある新卒一括採用という非常に特徴的な仕組みの影響でしょうね。逆に言うならば、新卒の時点で正社員になるチャンスを一旦逃してしまうと、なかなか取り返すのが難しい。その人たちが、非常に多く発生したのが、今アラフォーを迎えている氷河期に就職した世代なんです」

“アラフォーの谷”とも言える、この現象。さらに調べていくと、そこには、給与アップを阻む“3つの壁”があった。