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あの有名企業に勤めながら副業している人たちに話を聞いてみた

実際、そんな時間はあるんですか…?

終身雇用が完全に終わり、給料も上がらない、退職金もなくなる中で、ワークライフバランス、ワークシェアリング、リモートワーク、そして“働き方改革”へと、次々とバズワードが生まれ、自由な働き方への転換が求められている昨今。

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2018年は“副業元年”と言われ、厚生労働省の「モデル就業規則」から副業禁止規定が削除され、副業・兼業が促進されることになった。

政府は2018年1月に「副業・兼業の推進に向けたガイドライン」を策定。その中で、副業・兼業の労働者のメリットとして、

① 離職せずとも別の仕事に就くことが可能となり、スキルや経験を得ることで、 労働者が主体的にキャリアを形成することができる
② 本業の所得を活かして、自分がやりたいことに挑戦でき、自己実現を追求することができる
③ 所得が増加する
④ 本業を続けつつ、よりリスクの小さい形で将来の起業・転職に向けた準備・試行ができる

とメリットを強調する。だが副業禁止が基本だった日本において、この突然の180度の方針転換は、企業も従業員も戸惑っているのが正直なところではないだろうか。大手企業はどう社内規定をどう変えるのか?すでに多忙な生活を送っているであろうビジネスマンが、さらに副業を持てるものだろうか?

 

副業・兼業を許可検討している企業は2割のみ

現状、副業を解禁している企業はごく一部で、大多数の企業はガイドラインを無視しているというのが実態だ。

「多様な働き方の進展と人材マネジメントの在り方に関する調査」(2018年・労働政策研究研修機構)によると、企業の副業・兼業に対する意向は「許可する予定はない」がもっとも多く、全体の75.8%を占める。

「副業・兼業を許可している」は11.2%、「兼業・副業の許可を検討している」は8.4%であり、積極的な姿勢を示す企業は全体の2割程度に留まっている。

副業・兼業に消極的な企業はその理由として、「過重労働となり、本業に支障をきたすため」(82.7%)、「労働時間の管理・把握が困難になる」(45.3%)、「職場の他の従業員の業務負担が増大する懸念があるため」(35.2%)などを挙げていた(複数回答)。いずれも、もっともな懸念ではある。

急に副業解禁と言われても、企業は本当にそれを導入できているのか。制度を導入したとして、実際に副業をできている人はいるのか。していたとしても、余計に労働時間が増えて消耗しているのではないのか。

そんな疑問を持った私は、まずは実際に行われている副業の事例を知るべく、副業制度を導入しているという企業に話を聞いた。

新生銀行の場合

2016年3月には大手製薬会社のロート製薬が「NEVER SAY NEVER」(不可能は絶対にない)をスローガンに掲げ、会社公認で兼業ができる制度をいち早く導入し、話題になった。

2017年にはコニカミノルタやソフトバンク、ディー・エヌエー(DeNA)が相次ぎ、副業を解禁。2018年4月には、大手銀行としては初めて新生銀行が副業・兼業を解禁。同年5月にはエイチ・アイ・エスが旅行大手としては初めてとなる副業解禁を実施している。

新生銀行では「基本的に副業の許可に必要な条件はなく、本人が申請すれば許可する」(新生銀行・グループ人事部)という。

有期雇用者やパートタイマー、新卒社員も副業申請可能。副業の内容も基本的に制限しない。副業解禁の狙いとして「イノベーションの創造」「従業員の成長」などへの期待はある。しかし、「成長に役立つ仕事かどうか」などは、取り組み後でないとわからないという理由から、審査基準として設けていない。

「他社に雇用されることも可能で、単なるアルバイトでも許可します。例外的に不許可とするのは、競合・利益相反、当行レピュテーションへの悪影響のある業務、深夜業務、危険業務などの定型的な禁止業務に違反するものだけです」(新生銀行・グループ人事部)。