山梨大学学長の年頭発言「NHKの切り取り報道」に抱く違和感

報じるべきは、そこではないだろう…

全文を読めばわかること

新年早々、奇妙な報道がNHKでなされていた。1月8日の「山梨大学 学長の年頭あいさつ『韓国 異様な反日政策』で反響」がそれである()。

この記事を読むと、「山梨大学の学長が年頭のあいさつで、韓国について『異様な反日政策をとっている』などと発言したことに、インターネット上ではさまざまな意見が出ています。」となっている。報道機関であれば独自の取材に基づいて報じるべきはずなのに、なぜか「インターネット上での話」を根拠としている。ここにまず、強い違和感を覚えた。

 

筆者は、マスコミのニュース・報道よりインターネットのほうを見ることが多いので、山梨大学学長の年頭あいさつがネット上で話題になっていたのは知っていた。マスコミ報道がネット上の話題を後追いするのは、単に放送が遅れただけなのか、別に意図があるかのどちらかだろう。

このことについてあるマスコミ関係者に聞いたところ、「反日政策」という言葉にNHKが条件反射したのだろうといっていた。左系の多いマスコミでは、「反日」という言葉に反応しやすいから、ネット上で話題になっていたこの発言を取り上げたのではないか、ということだ。

日頃から、多くのマスコミは「反日報道」をしているから、反日という言葉を聞くと自分たちのことではないかということも含めて、余計に気にするのだろう。反日という言葉を聞くと、その発言をまったく無視するか、逆にその発言者を叩きにいくのがマスコミの性(さが)だーーというその人の解説は、かなり説得力があった。今回のNHK報道は、後者の典型例だろう。

もっとも、いまの時代は報道の検証が容易だ。NHKの報道が流れた後、早速、山梨大学の島田眞路学長の挨拶文の全文を、山梨大学のサイト上で読んでみた()。

皆さんにもぜひ読んでほしい。たしかに「不穏といえば、韓国もレーダー照射、徴用工問題、従軍慰安婦など異様な反日政策をとっています。」とあるが、韓国についてだけではなく、世界各国の国際情勢についても言及している。まさに世界情勢全般を客観的に語っているということが分かるはずだ。

この挨拶、山梨大の役員と教職員向けに行われたもので、挨拶全体の主題は、もちろん山梨大学に関わる部分だ。世界情勢に関する部分は、全体の話の枕でしかない。主要部は「本年度予算」について。学長は本年度の予算がいまだ決まっていないことを「前年末に決まらないのは極めて問題だ」とした上で、

「私は以前から国立大学協会で、運営費交付金の件に関して『財務省と戦って引き上げるべき』と発言していますが、このところやっと会長でもある京都大学の山極総長が財務省と戦う姿勢を見せています。このまま実質上(交付金が)減少していけば、山中先生、大村先生、大隅先生、本庶先生のようなノーベル賞はもう望めなくなります」と語っている。

これをみればNHK報道が、挨拶全文の言葉尻を捉えた「切り取り」であることがわかるだろう。いわば、「NHKの都合」による報道なのだ。とはいえ、NHKが「この発言は問題だ」と「主観で」判断するわけにはいかない。そこで、あたかも客観的な報道であると振る舞うために、インターネットで話題になっているという「事実」を紹介している、という体裁をとったわけだ。

しかも、この話を筆者が別の媒体で書いたら、思わぬ情報が筆者のもとに寄せられた。山梨大学の関係者からの情報だが、「NHKサイドが、島田学長に発言取り消しの会見を求めていた」という話もあるという(その山梨大学の関係者によると、島田学長は毅然として応じなかった、ということだが)。

マスコミ関係者に話を聞くと、自分たちの報道によって、ある企業や団体・人物の謝罪会見が開かれると、自分が社会悪をやっつけたようなヒーロー気分になるようだが、もし仮に謝罪まで求めたら、それは一線を越えたこと、とみなされるようだ。

いずれにしても、全体の趣旨を伝えず一部を切り取って問題だと伝えるのは、ある種の「言葉狩り」というべきではないか。島田学長の挨拶の全文を読めば、主たる部分は、4月から執行される山梨大学の来年度予算について、新年1月になってもまだ決まっていないということだ。

この部分が報じられずに、韓国云々の部分はまったく枝葉であり、それが<「韓国 異様な反日政策」で反響> と報じられるのは、学長や関係者からすれば心外だろう。

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