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# 世界経済

気鋭のエコノミストが考える「2019年世界経済3大サプライズ」

米国、中国、欧州、そして日本は…

経済予測の背後にあるもの

2019年が始まった。昨年末に出された今年の経済および株価の見通しは、ちょうど年末の世界的な株価急落もあって、証券業界関係者のポジショントークを除けば総じて慎重なものであった。

例えば、民間エコノミスト対象のアンケート調査である「ESPフォーキャスト調査」によれば、今年度(2019年度)の日本の実質GDP成長率のコンサンサスは0.73%となっている。年度の実質成長率が1%を割り込むという予想は2014年度以来である。

これは民間エコノミストは2019年度の日本経済についてはかなり慎重な予想をしていることを示している(ついでにいうと潜在成長率は1%程度なので、GDPギャップもマイナス予想)。

だが、この「ESPフォーキャスト調査」のコンセンサス予想のパフォーマンスは意外と良くない。

図表1は、2005年度以降の予想値と実績値の推移を、図表2はその乖離幅を示したものである。

リーマンショックがあった2018年度を除いても、予想値と実績値の乖離は結構大きい。さらにいえば、コンセンサス予想の平均は1.45%、標準偏差は0.66%であるのに対し、実績値は平均が0.76%、標準偏差が1.78%となっている。

つまり、予想値は実績値よりも高いことが多く、かつ、変動が小さい。これは、現実には事前にエコノミストが想定したシナリオから上下両方向に乖離させるような外的要因が常に生じていることを意味している。

したがって、エコノミストの経済予測を前提に経営戦略や運用計画を立てるというのは、逆にかなり大きなリスクに晒される可能性があるので注意する必要がある。

このように考えると、「専門家(エコノミストも含まれるが)」による経済や株価予想の数字をこだわって集めるよりも、リスク要因を可能な限り列挙して、もし、これらのリスクが生じた場合の対処法(コンティンジェンシー・プラン)を想定しておいた方が有用ということになる。

 

さらにいえば、各エコノミストの予想の背後には経済についてのストーリーがあり、そのストーリーの独創性を評価すべきであるが、コンセンサスということで平均をとってしまうと背後のストーリーが見えなくなってしまう。本来、経済見通しや株価見通しは予想の数字というよりも、背後のストーリーを読み取ることが重要なのだが、集計してしまうとそれができない。

そこで、「外的なリスク要因」だが、これも、数は多くはないが、何人かの著名な論者によって公表されている。代表的なものとしては、イアン・ブレマー氏が率いるユーラシアグループの「Top Risks(今年も1月7日に発表された)」や、米国の投資会社ブラックストーンの著名ストラテジストであるバイロン・ウィーン氏による「2019年の10のサプライズ」がある。

これらのリスク要因についてはホームページ等で公表されているのでそれを参照いただきたいが、ここでは、筆者が考える「2019年のサプライズ」をいくつか列挙したいと思う。

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