酔いが進んでついつい……(イラスト:渡辺恵美)

現代新書の編集者が嫉妬した、他社の新書をこっそり明かします

女子東大院生が現代新書編集部を直撃④

ひょんなことから、現代新書の編集部に少しだけ出入りしている女子大学院生の私、ナナ。ただいま、現代新書のメンバーが一堂に会する「座談会」(というか、忘年会)に潜入中。

前編(https://lebaobab.info/articles/-/59158)では、2018年に担当したイチオシの新書を尋ねてみた。それぞれのこだわりを熱く語ってもらえて、とてもワクワクしたな。お菓子の話題で盛り上がる、のほほんとした愉快な一面も垣間見えたし……。

よし、ここからはもっと深掘りしてみるぞ!

〜 ナナから見た、編集部のキャラクター 〜
ハジメ アラフィフの愛され編集長。得意分野はノンフィクション。「新書の新しい突破口」を見出すべく邁進中
ヒロシ 哲学から少女漫画まで、幅広いジャンルに精通。オビやお土産のセンスは女子ウケ抜群。今年定年を迎える
ジュン 学術書一筋、温厚で気品溢れるジェントルマン。日本史に造詣が深く、「歴史のプリンス」の異名を持つ
リュウ 元フライデー編集長。最近は新書における「ビジネス書」ジャンルを模索中。昨年後半から組合活動で大忙し
マル 時事・社会系のタイトルで数々のヒットを飛ばす、現代新書のエース。編集長の座を狙っているという噂が……
ヨネ ユーモアセンスは編集部随一、シロクマさんのようなムードメーカー。しかし、その私生活は謎に包まれている
マサ コミック部署より異動して1年半の新・プリンス。キラキラの目で誰もを魅了する。若者向け教養書に力を入れたい
チカ 現代新書のDTPを担当する女子。お酒好き。ふとした瞬間に炸裂する痛烈な「チカ節」には、密かなファンが多い
メイ 現代新書の事務を担当する女子。お酒好き。皆が頼りにするしっかり者だが、部内の「お菓子問題」に手を焼いている
イラスト:渡辺恵美

「我々が嫉妬する」他社の新書

ナナ:(メインの鍋料理がグツグツ煮えてきた頃合いで)みなさん、先ほどはそれぞれ自分の担当した新書から1冊挙げていただきました。では、2018年に刊行された現代新書以外で印象深い新書はいかがでしょう?

ハジメ:いわゆる「我々が嫉妬する新書」ね。一番新書を読んでいるのは、ジュンさんなのではないですか? 「歴史のプリンス・ジュン」が嫉妬する本、気になります。

ジュン:40代半ばで「プリンス」もないと思いますけど……、最近読んで面白かったのは、松沢裕作さんの(岩波ジュニア新書)ですね。

新書のお手本といえるような読みやすい文章ですし、競争の激しかった明治時代、立身出世できなかった多くの人、近代の価値観からこぼれ落ちた多くの人にとっては、とても辛い時代だった、という内容です。

今年は「自己責任」がキーワードになりましたが、明治時代の「自己責任論」は、現代に通じるタイムリーな内容でもありましたね。

ヨネ:「生きる教養」としてのヒロシさんが、何か1冊あげるとすると?

ヒロシ:僕は、新書は読まないもン。

ハジメ:ちょっと! 新書は「お話になりませんネ」ですか!

ヒロシ:真面目な話をすると、新書を読んでも、新書の企画はできないんですヨ。だったら、読む意味ないじゃないですカ。

ジュン:じゃあ、おすすめのフランス語の書籍でもいいんじゃないですか? 

ハジメ:そうそう「第二のトマ・ピケティ」みたいな売れそうな著者、いないんですか? 次はこれが来るぞ、という。

ヒロシ:たとえば、●●●●●。

ハジメ:ほ~ぉ……。それ、さっそく翻訳しましょう!

リュウ:だったらヒロシさんの今の発言は、伏せ字にしておかないと(笑)。

『日本史の論点』『未来年表』

ヨネ:僕は、藤岡換太郎さんのですね。

ハジメ:『フォッサマグナ』って、それは他社じゃなくて、ウチのブルーバックスの本じゃない!(笑)

ヨネ:難しくてよくわからないはずの理系的内容を、僕のような文系の人間にもスッと入って記憶に残る。理系の本を文系的に読めるように仕上げた才能に、嫉妬しました。

ハジメ:たしかにあれは、新聞宣伝も素晴らしかった。担当編集のヤマさん、普段は昼行灯みたいなのになぜ、「こんな光景がこの世にあるのだろうか」「ナウマンの発見から140年余り、謎の霧が、今晴れ上がる」なんていう素晴らしいコピーが出るんだろうなぁ。

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