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役員の数が半分以下に…トヨタ自動車「2019年人事」を読む

「驚きの改革」の核心

これまで常務だった人が、「その他大勢」の社員と同じランクになる。豊田章男社長が発表した新人事が、驚きをもって迎えられている。日産の騒動をよそに、トヨタ自動車が進める改革の核心に迫る。

常務役員ポストを完全廃止

トヨタ自動車は来年1月1日付で、人事制度を大きく変更し、それに伴って、社長以下の執行役員は55人から23人に激減させる。

自動車産業は100年に一度の変革期を迎えていると言われ、競争が激化するとともに、異業種の参入によって競争のルールも変わろうとしている。こうした中で、意思決定と実行の迅速化を図ることなどが狙いだ。

豊田章男社長の側近中の側近で、筆頭格の「番頭」である小林耕士副社長は関係者にこう語っているという。

「大相撲の横綱は負け越しや休場が続くと引退に追い込まれるし、大関以下は成績次第で番付が下がる。

しかし、トヨタの役員は大した仕事をしていなくても降格がない。年齢に関係なく能力があるものを抜擢して人材を入れ替え、組織を活性化していくためにはこうした人事が必要だ。

しかし、明らかに世間が降格と分かるような人事をしたら、本人が恥をかかされたと思い、やる気を失ってしまう。そのため人事異動という形で対応した」

 

この発言の真意を伝えるためにも、まずはトヨタの新人事制度について説明しよう。

トヨタの現在の管理職制度は、基幹職3級(課長相当)、基幹職2級(次長相当)、基幹職1級(部長相当)に区分され、1級の次は、常務役員や常務理事への昇格となる(下図参照)。

今回の人事制度変更によって、2級、1級、常務理事、常務役員を一括りにして新たに「幹部職」という役職が作られる。

これに伴い、常務役員(33人)、常務理事(26人)の制度は完全廃止。専務役員以上の呼称は「執行役員」となる。3級に相当する役職は残る。

トヨタ社内では、なかでも常務役員の廃止が衝撃をもって受け止められている。33人中、3人だけが執行役員に上がる以外は、7人が退任して関連会社などに転籍し、23人は常務役員の肩書は外れて、本部長や副本部長、部長、新設される領域長などのポストに「異動」することから「事実上の降格」といった見方が出ているからだ。

これまで常務役員に就く場合、いったんは退職して退職金も受け取った後に会社と委任契約を結んできたが、今回残る場合は再度、入社する形になるという。

新制度では、現在は3級が務めているグループ長(課長)にも元常務役員や元常務理事を就けることが可能になる。幅広いポストに適材適所で柔軟に人材を配置していくためだが、このことも「降格人事ではないか」といった見方につながる。

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