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発見! 西野ジャパンとGoogleの意外すぎる「共通点」

「期待値」を超えるチームの条件とは?

気鋭のサッカージャーナリストと、Eコマースのプロフェッショナル。
意外な組み合わせの2人には、2つの共通点がある。

1つは「サッカー」。

2002年から日本代表を中心に取材を続ける木崎伸也氏はもちろん、じつは仲山進也氏もヴィッセル神戸、横浜F・マリノスで仕事をした経験をもつサッカー通だ。

もう1つは、漫画家のツジトモさん。

木崎氏の最新作『』では、主要キャラクターの作画をツジトモさんが担当。仲山氏の『』は、ツジトモさんの代表作『』の名場面を活用し、ビジネスシーンに応用したロングセラーだ。

そんな2人が今回、初対面で2つのテーマを縦横に語り合った。

第1回となる前編は、ワールドカップロシア大会で奇跡的な成功を収めた西野ジャパンと、GAFAの一角を占めるIT界の巨人との「意外な共通項」が話題に。あらゆる組織に属する人必見の「成功法則」が見えてきた。

「期待値」を超えるチームが必ずたどる、たった1つの成長法則とは?

「混乱」なくして「成長」なし!

そこそこの実力のチームに収まらず、「爆発的な飛躍を遂げるチーム」になるにはどうしたらいいか?

そんな問いに1つの答えを示そうとしているのが、学長を務める仲山進也だ。ビジネス界においてチームビルディングの実践と教育に取り組み、仲山は次の結論に行き着いた。

「多くの人が勘違いしていますが、じつは、グループとチームはまったく異なります。以下に示す『チームの成長ステージ』の図を見てください。

グループがチームへと成長するプロセスには4つのステージがあります。『フォーミング(形成期)』、『ストーミング(混乱期)』、『ノーミング(規範期)』、『トランスフォーミング(変態期)』の4つ。前半の2段階はグループ状態、後半の2段階がチームになった状態です。

成績が70点だったグループが、いったん落ち込んで赤点を経ることで、120点以上のチームになれるんです」(仲山)

ポイントは、コントロールしづらい「混乱期」を経るということだ。本音をさらけ出すことでメンバーは一時的に衝突するが、そのことで互いの理解が進み、ジャイアントキリング=期待値を超えた活躍、番狂わせを起こせるチームへと昇華できる。この間に、各ステージのあいだに示された3つの壁「コミュ量の壁」「コミュ質の壁」そして「納得感の壁」を超えていく。

筆者(木崎)は今年9月、サッカー日本代表チーム内の衝突と融合を描いた小説『アイム・ブルー』を上梓し、10月に本田圭佑監督率いるカンボジア代表のビデオアナリストに就任した。書き手として、代表チームのスタッフとして、チームビルディングに大きな興味をもっている。

どうすれば爆発的なチームを創れるのか? 仲山に話を聞いた。

ビジネス上の理論がぴたりとあてはまった日本代表

木崎 今日、お会いしたら、まずはお礼を言いたいと思っていたんです。10月、僕はカンボジア代表のビデオアナリストに就任してプノンペンへ赴いたんですね。その機内で仲山さんの著書、『今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則——『ジャイアントキリング』の流儀』を読ませていただいたんですが、カンボジア代表のチームビルディングをするうえでものすごく参考になりまして。

というのも、最初の約1ヵ月間は本田圭佑監督がメルボルン・ヴィクトリーの選手としてオーストラリアに留まり、ヘッドコーチのフェリックスと僕の2人のみで選手をマネジメントしなければならなかった。

だから、本田監督がやって来るまでトラブルを防ぎ、チームが壊れないようにしないといけない、そう思っていたんです。

でも、仲山さんの本を読んだら、自分が考えていたのはまさに悪い「フォーミング(形成期)」の例だなと気づかされた。トラブルを恐れるのではなく、むしろ起こったトラブルを活かして組織をつくっていこうという、「ストーミング(混乱期)」の心構えでカンボジア代表のチームビルディングに臨むことができたんです。

仲山 それはめちゃくちゃ嬉しいですね。日本人は空気を読んで遠慮したり、対立や衝突が起こると「まあ、まあ」となだめて元の状態に戻そうとする“フォーミング体質”の人が多い。それに対して、本田さんは議論好きでつねに反対意見を求める、まさに“ストーミング体質”の人。きっと組織を70点や80点に整えることは望んでないはずですよ。

【写真】仲山氏楽天大学学長を務める仲山進也氏 撮影:岡田康且

木崎 この理論には、どうやって行き着いたんですか?

仲山 この4つのステージの話には下敷きがあって、「タックマンモデル」という心理学者が考えたモデルがあるんです。僕がチームビルディングをするうえでファシリテーターの相方がいるんですけど、彼が10年前に会ったときに教えてくれた。

僕が創業まもない楽天に入って、日々カオスみたいな状態のなかでうまくいった経験や、高校サッカー部時代のキャプテンとして、あるいは会社のマネジャー業でうまくいかなかった経験を照らし合わせると、すごく当てはまると思った。タックマンモデルをたたき台にして、自分なりに使い込んでアレンジして、今の理論に行き着きました。現在も引き続き、チューニング中です。

『アイム・ブルー』を読みながら、木崎さんは「タックマンモデル」のような前提知識がありながら書いているのかなと思っていたんですよ。まさに4つのステージの話だったので。

木崎 チームビルディングの理論はまったく知らず、過去の日本代表の実例から抽出して書いたんです。サッカーの取材は2002年から続けていますが、日本人選手たちは真面目だからか、ワールドカップの前になると決まって選手ミーティングが行われ、それが衝突の原因になる。いつまでも同じ問題を繰り返すべきではないと思い、取材の過程で見聞きしてきた実話を題材に、フィクションとして抽象化して描きました。仲山さんの本を読んで、「同じことが、別の角度から解説されている!」と驚きました(笑)。

仲山 そうなんですよ。『アイム・ブルー』の中でドイツ人のノイマン監督が、わざとバカなふりをして日本代表チームを混乱に陥れようとするじゃないですか。これはまさに「ストーミング」です。ツジトモさんの漫画『ジャイアントキリング』で言えば、主人公の達海猛監督がそれをやる。

木崎 日本代表には本田圭佑のような自己主張の強い猛者たちが集まっている。どんな監督ならまとめられるかと思い、ノイマンのようなタイプを考えました。

ただし、もちろんあくまでフィクションの中の理想像で、現実にはそれがものすごく難しいことを、カンボジア代表で日々、痛感しています。

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