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「トランプ vs. FRB」米国で台頭した金融政策バトルの行方

経済の成長ペースは減速傾向で…
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米国経済は微妙な状況

当コラムがアップされる頃には、FOMC(連邦公開市場委員会)の結果はすでに発表されていることだろう。ここ数日は、トランプ大統領だけではなく、クドローNEC(米国家経済会議)委員長やナヴァロ大統領補佐官も、FRBに対して、利上げを見送るように要請(牽制)している。パウエルFRB議長も頭を抱えているかもしれない。

もっとも、FRBは政府から「独立」しているので、トランプ大統領らが利上げ見送りを要請したところでそれに「忖度」する必要はない(FRB議長の罷免権は大統領にある。ただし、過去においては、「大統領の政策に従わなかった」という理由でそれが行使されたことがない)。あくまでもFRB自身の米国経済見通し、すなわち、景気(失業率)、及びインフレ見通しに基づいて判断することになるだろう。

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その米国経済だが、「微妙な状況」にあるといってよいだろう。「右往左往」度が著しく高い民間エコノミストらの「リセッション懸念」は無視してもよいとしても、その成長ペースは徐々に減速しつつある。

4-6月期の米実質GDP成長率は前期比年率で+4.2%であったが、7-9月期は+3.5%、そして、アトランタ連銀が月次経済指標等から推定するナウキャスト(GDPNow)の10-12月期予想は、12月18日時点で+2.9%となっている。

とはいえ、FRBは、長期的な成長トレンドを年率で+1.8%程度とみているので、FRBからすれば、米国経済は、長期的なトレンドを上回る成長が続いているという判断となるだろう。

 

また、月次の経済指標をみると、明らかに減速傾向で推移しているのは、輸出(ただし、中国向けのみで全体の伸び率は前年同期よりも高い)と住宅投資くらいである。住宅投資は今年初めから既に減速傾向にあり、サプライズ(予想外に米国景気を押し下げる要因)にはならないだろう。むしろ逆に、11月分は金利低下からリバウンドしている。

輸出も、先日の米中首脳会談以降、中国が大豆などの農産物を中心に輸入(米国からいえば輸出)を大きく増やしているため、改善する可能性がある。失業率等の雇用関連指標も堅調を維持している。

一方、賃金を含む雇用関連の堅調にもかかわらず、インフレ率はFRBの目標である2%近傍で約半年間安定している。また、予想インフレ率関連の指標はむしろやや低下している(例えば、5年-5年のフォワード予想インフレ率は10月の+2.3%から+2.0%へ低下)。インフレ懸念はほぼ皆無であり、FRBが拠り所にしていたと思われる「NAIRU」の議論は既に崩壊している。

以上より、FRBからすれば、「低インフレ下での好景気が続いている」という認識なので、「中立スタンス」の金融政策になるべく早く戻して「次に備える」というのが最適戦略であるという認識であろう。

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