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# 現物投資

ダイヤモンドは王者ではない…知られざる「宝石投資」の世界

その価値を分ける意外なポイント

「投資の対象」になる宝石の条件

「ダイヤモンドではダメなのですか?」時々、このような質問を受けます。

そのような質問に対して、私は「ダイヤモンドは、残念ながら投資の対象にはなりません」とお答えするようにしています。もちろんダイヤも宝石の一つで資産性は十分あるのですが、今後の値動きを考えた場合は、どうでしょうか。

ダイヤの世界にはデビアス社という巨人がいます。同社の思惑によって相場が動きやすいといえるでしょう。もちろん今後の同社の戦略によって、ダイヤの相場が上昇に転じる可能性もありますが、それでも自由な競争や需給だけで価格が決まるわけではありません。

デビアス本社は英国ロンドンに所在する(Photo by gettyimages)

中央銀行の政策によって1万円札の実質価値が変動するのと同じく、ダイヤの価格がデビアス社の都合に左右される状況は、私たち個人の投資家にとっては、決して好ましくありません。

では、投資に適した宝石とはどのようなものでしょうか。

透明なダイヤモンドに対して、赤い色をしたルビーやスピネル、深い青色のサファイア、緑色のエメラルドやヒスイなどのことを、色がついた宝石という意味で「カラーストーン」と呼びます。

なかでもルビーやスピネル、サファイア、ヒスイはアジアが世界の主産地で、それだけ私たちアジア人にとってなじみが深い宝石だといえるでしょう。

例えば中国人はルビーやスピネルを好みますが、これは中国で歴史的に「赤は縁起の良い色」と考えられてきたからです。また、彼らは緑色をしたヒスイも好みます。ヒスイは古代より玉(ぎょく)と呼ばれ珍重されてきましたが、特に「琅玕(ロウカン)」と呼ばれる石は驚くほどの高値で売買されています。

しかし、アジアの経済発展によって、このようなカラーストーンの需要が増える一方、産出量のほうは徐々に減ってきています。

 

例えばミャンマーには、最高級のルビーが採掘される鉱山がいくつもありましたが、近年は枯渇しつつあります。このような現状を踏まえ、同国政府は資源の長期利用に軸足を移しているようです。つまり採掘権の付与を絞り、資源の枯渇を防ぐという政策です。

ルビーだけではありません。サファイアやスピネル、ヒスイなども同様で、産出量は徐々に減り、相場は上昇しつつあります。

今回以降、投資という観点から、ルビー、サファイア、スピネル、ヒスイの順にその魅力と見分け方をみていきたいと思います。

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