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歯が消え、尾が短くなった「彼ら」の進化を証明した夭折博士の執念

「恐竜大陸をゆく」第4回
天安門事件の「その後」という巨大なテーマに挑んだノンフィクション作品が第5回城山三郎賞を受賞したジャーナリスト、安田峰俊氏。ブルーバックスでは新境地「恐竜」に挑む好評連載、第4回を更新しました。
今回のテーマは「翼竜」!

恐竜大陸は翼竜大陸でもあった

中生代の地球の空を飛んでいたのは、鳥類のほかに「翼竜」と呼ばれる爬虫類だった。

翼竜は三畳紀に恐竜と共通の祖先から分かれたとみられる、恐竜と近縁な生物で、脊椎動物としては史上初めて空を飛んだことで知られる。彼らもまた、白亜紀末期に恐竜とともに絶滅していった。

中国における最初の翼竜の発見は1935年、山東省臨沂市蒙陰県でのことだ。もっともこの化石は、中国古生物研究の泰斗・楊鍾健(C.C.Young)博士が本当に翼竜なのか疑義を呈するほどに断片的だった(現在は翼竜の第1翼指骨〔=翼の膜の真ん中くらいを支える骨〕だっただろうと見られている)。

楊鍾健(C.C.Young、1897年~1979年)。1922年撮影

やがて、1964年にズンガリプテルス(後述)が見つかり、その後は多数の翼竜が発見されていく。

現在までに出土が確認されたのは、遼寧省から内モンゴルにかけて広がる熱河層群や、四川省東部の自貢一帯のほか、新疆ウイグル自治区の北部、甘粛省、山東省、浙江省など。

いまや中国で見つかった翼竜の種類は世界最多レベルとなっている。

今回は中国の翼竜から特に興味深い2種を選んで、その発見史や研究史をもうすこし詳しく追ってみよう。

油田の土地から見つかったユニーク翼竜

1億年あまり昔、白亜紀前期の空を飛んでいたズンガリプテルスは、翼を広げた状態の大きさが3~5mという、なかなか大きな翼竜だった。

ズンガリプテルスズンガリプテルス Illustration by Getty Images

口先がしゃくれた独特の顔つきやユニークな語感の名前もあってか、ズンガリプテルスは翼竜のなかでも比較的知名度が高い。口の先端部分は歯がないが、奥には生えており、その特徴からおそらく魚食性だったと見られている。

ズンガリプテルスは中国で初めて、頭骨も含めた化石が出土した翼竜でもある。発見地は新疆ウイグル族自治区北部のカラマイ市郊外にあるウルホ区。

Karamayカラマイ市 Photo by Getty Images

なお、カラマイは中国最大級の油田を擁しており、近年は市の一人当たりGDPが中国全土もトップクラス(実は北京や上海より高い)の金持ち都市として知られる。

ズンガリプテルスが見つかった経緯もやはり資源がらみだ。

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