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ファミマ・ドンキ連合が「アマゾン最大の弱点」を狙い撃ちする可能性

巨大な店舗網の活用法、それは…

深謀遠慮

10月11日、ユニー・ファミリーマートホールディングス(UFHD)の高柳浩二社長とドンキホーテホールディングス(ドンキHD)の大原孝治社長は、にこやかな表情で握手を交わし、記者会見に臨んだ。

アピタ、ピアゴなどの総合スーパー(GMS)を運営するユニーの株式については、これまでUFHDが60%、ドンキHDが40%を所有していた。今回、UFHDは持ち分の60%すべてをドンキHDに譲渡し、ユニーはドンキHDの100%子会社となる。なお、来年2月からドンキHDは「パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス」に社名変更することも同時に発表された。

ドンキHDがユニー株式の100%を取得することは、以前から業界では既定路線として認識されていた。ただし、今回の発表には、2つの意外感があった。

 

一つはそのスピードである。ドンキHDがユニー株式の40%を取得して、業務資本提携を結んだのは2017年8月末。業界では、2~3年ぐらいドンキとユニーの協業の様子を見て、その後にドンキHDが100%取得するのではないかとみられていたが、実質1年強という極めて短い時間で判断が行われた。

ドンキによるユニーの店舗運営の改善は、ここまで想定以上に成功してきている。陳列方法や品ぞろえの変更(ドンキ化)により、従来よりも売上が二桁増加している店舗が多い。協業の予想以上の成功が、ドンキHDによるユニー株式100%取得の加速につながったのではなかろうか。

もう一つの意外感は、UFHDが、ドンキHDの株式の20%を所有し筆頭株主となることだ。ドンキHDにとってみると、従来の独立路線とは親和性がない選択である。

もちろん、ドンキHDが早期にユニー株式100%取得をするために、UFHD関係者に納得してもらうための条件が、UFHDによる20%の株式取得だったのかもしれない。

今後再燃するであろう西友買収の可能性の際、ドンキHDにとって、信用含め様々な面でUFHDやその親会社の伊藤忠商事がサポートしてくれるという思惑もありえる。UFHDや伊藤忠商事から見ても、GMSの再生ノウハウを持つドンキHDに出資することによって、今後の様々な流通再編の中で戦略的な動きが可能となる。

真相は現時点ではよく分からないので、各社の深謀遠慮にこれ以上立ち入るのはやめよう。むしろ本稿では、UFHDとドンキHDが、今後消費者にとって、どのような価値を提供しうるかという流通論の話をしたい。

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ファミマにあってアマゾンにないもの

UFHDとドンキHDに限らず、日本の流通業にとって共通の競合相手は、アマゾンを筆頭とするEコマースプレイヤーである。

UFHDとドンキHDの売上を単純合算すると1.7兆円。イオン(8.4兆円)、セブン&アイ(6.0兆円)、ファーストリテイリング(1.9兆円)に次ぐ業界4位となる。対してアマゾンジャパンは既に1.3兆円の売上を稼いでおり、足音は着実に聞こえてきている。

しかし、Eコマースとは異なるリアル店舗からの価値提供という観点から見ると、実は、今回のUFHDとドンキHDの協業進行には一筋の光明が見える。

それは、上述したような合算売上の多寡という視点からは見えにくい、消費者との「接点(タッチポイント)」という観点である。具体的には、保有店舗数という量的な価値であり、そして大型店からコンビニまでを揃えた、売り場面積のバラエティの価値だ。

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