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オリバー・ストーンが明かした、プーチン「ロシア帝国」のゆくえ

世界に放たれたプロパガンダ
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ゲームのルールを変えたい

『オリバー・ストーン オン プーチン』は米国の映画監督オリバー・ストーン氏が2015~17年の間に4回ロシアを訪問し、プーチン大統領から合計9日間にわたってインタビューを行った記録を編集してまとめた貴重な本だ。

プーチン氏が長時間にわたって外国人のインタビューを受けることは珍しい。この本が大きな話題になることを十分考慮した上で発言しているが、表面的にはプーチン氏が、ストーン氏の歯に衣を着せぬ質問に対して率直に答えているという印象を受ける。

プーチン氏が、聡明でタフだが、人間的に魅力に富んだ人間であるという印象を醸し出す見事なプロパガンダ(宣伝)に仕上がっている。

 

中露関係についてプーチン氏はこう述べている。

〈ーーあなたは多極的な世界について、その重要性や力の均衡をたびたび口にしてきた。だが中国については何も語っていない。

「中国の立場は中国が自ら語ればいい」

ーーだがいまや中国は地域の、そして世界の主要国だ。

「それはまちがいない。世界の主要国だ」

ーーアメリカが世界で支配的な立場にある以上、当然ロシアだけでなく中国ともぶつかるだろう。

「重要なのは、常に世界的なリーダーシップだ。地域的論争は二の次だ。競争は基本的に世界の主要国のあいだで起こる。それが世のことわりだ。問題はこの競争をどのようなルールに基づいて行うかだ。私としては、ぜひ常識に基づいてやってもらいたいものだと思っている」

オリバー・ストーン監督(Photo by gettyimages)

ーーロシアが中国に接近していることは周知の事実だ。すでに貿易協定がある。軍事協定を結んだかは知らないが。

「ロシアが中国と接近するのに、特別な協定など要らないさ。もともとロシアと中国は隣人だ。共有している国境は世界一の長さだろう。だから両国が良好な隣人関係を維持すべきなのは当然で、おかしなことは何もない。むしろそれは中国とロシアの双方の国民にとってきわめて望ましいことだ。世界にとってもね。両国には軍事ブロックをつくろうという意思はない」

ーーなるほど。

「ただ両国の貿易と経済的結びつきは急激に強まっている」〉

興味深いのは、プーチン氏が「競争は基本的に世界の主要国のあいだで起こる。それが世のことわりだ。問題はこの競争をどのようなルールに基づいて行うかだ」と述べていることだ。

現状では米国が世界の最強国であるが、ロシアや中国も主要国である。ゲームのルールを形成する地位が米国に独占されている状況を変化させるという点でロシアと中国の利益は合致している。

しかし、プーチン氏は、中国と価値観を一致させて、中露が運命共同体になることは望んでいない。それだから、「軍事ブロックをつくろうという意思はない」と明言しているのだ。

プーチン氏にとって重要なのは、主要国間の地政学的均衡を維持することだ。シリアやウクライナに関しても、力の空白があれば、そこにロシアが入り込んでいくというのがプーチン氏の基本戦略だ。

しかし、ロシアと米国やEU(欧州連合)との関係を決裂させるような状況に陥ることは望んでいない。その意味でプーチン氏は現実主義者なのである。

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