# まんだらけ # メルカリ # 中古品

EC全盛の今でも勝ち残る「まんだらけ」中古販売ビジネスの秘密

他には真似できない価値熟成戦略
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中古品のイメージを一新したブックオフ坂本孝氏

若い読者の方々は中古品というものに全く抵抗が無いし、むしろ中古品の使いこまれた風合いに価値を見出すことも多いだろう。

しかし私と同世代かそれ以上の人間にとって中古品とは他人が使った汚いものであり、イメージするのは廃品同然の家電が山積みにされた掘っ立て小屋か、乱雑に本が積み上げられて埃だらけの古書店であった。

だから、1991年にブックオフが神奈川県で創業され、一気に展開を始めたときの衝撃はすごかった。今では当たり前だが、中古品なのにほとんど新品同様の美しさというのは信じがたいことであった。

また、買い取り価格と販売価格の差から考えて粗利が8割(定価の1割以下で買って5割(半値)で売る=例えば定価1500円の本を150円で買って750円で売ると粗利が8割になる)というとてつもない高収益モデルであることも注目を浴びた。

また、ブックオフ創業者の坂本孝氏が主宰する勉強会のメンバーであった山本善政氏が、ブックオフスタートの2年後、1993年にハードオフ1号店を開業している。

山本善政氏は、今ではまったく廃れてしまった業態であるオーディオショップを経営していたのだが、じり貧状態になっていた本業の起死回生として、坂本氏のアドバイスの元、ブックオフのオーディオ・家電版とも言えるハードオフをスタートさせ大成功したのである。

その後、中古品市場は大きく広がり、上場企業だけでも中古品を取り扱う企業は現在たくさんあるが、今の中古品市場を確立した中興の祖は坂本氏だと思う。

大変残念ながら坂本氏は、2007年にリベート問題の責任をとってブックオフの社長を退任しているが、2012年には「俺のフレンチ・俺のイタリアン株式会社(現 俺の株式会社)」を設立している。

全く違った業態で、革新的ビジネスモデルを成功させた経営者はあまり見かけず、坂本氏の才能には敬服する。しかも2回目は70歳を過ぎてからの起業である。

 

ITによって激変した中古品市場

中古品市場はその後もどんどん拡大していたのだが、私が上場企業を観察している限りでは、3~5年ほど前から中古品売買市場が大きく変容した。

実店舗を有する中古品取り扱い業態の成長が止まったのである。中古品の流通量そのものが減ったのではなく、ネットを通じた中古品売買が急速に拡大したというほうが正解だろう。

メルカリの創業は2013年だが、もちろんそれ以前にもネットを通じた個人間の売買は比較的活発に行われていた。

しかし、例えばエスクローに類似する機能を提供することによって、売り手の「買い手からの入金」不安を和らげるなどのサービスや、間に宅配業者が入ることで、住所を売り手に知らせなくても商品の受け渡しができるサービスなどが登場したことが、インターネット中古品売買市場の追い風になったことは間違いが無い。現在、登録業者は一定以下の金額であればエスクローサービスを提供可能である。

ちなみに、エスクローとは米国で発展した不動産を中心とした取引の形態で、売り手からも買い手からも中立な第三者組織(エスクロー機関)が買い手から購入代金を預かり、売り手が登記手続きを完了し、所有権が買い手に移転した時に初めて代金を売り手に振り込む。

日本の不動産ではエスクロー取引が発達していないので、買い手と売り手、それに司法書士が銀行に集まり、売り手口座に入金されたのを確認すると、事前に準備された書面をもって司法書士が買い手の登記のために法務局に走るという仕組みだ。

この日本方式をネット取引に応用して、売り手が入金を確認するまで商品を発送しないとすると、買い手にかなりのリスクが残る。

さて、本題に戻って例えば実店舗で定価1500円の本10冊の買い取り価格が定価の1割の1500円なのに対して、ネットでは定価の5割(半値)の8がけ、つまり定価の4割の6000円であるとしたらどちらを選ぶだろうか? 送料や買い手を見つける手間などの問題はあるが、インターネットの取引が個人にとって有利なのは明らかである。

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