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もうゲリラ豪雨も怖くない メールで「豪雨の直前」通知が来た

最新気象レーダの実証実験に参加したら

降雨の予報を根本的に変えるかもしれない気象レーダの実証実験が始まっています。

現在でも、台風や低気圧などによる広い範囲の雨は、スーパーコンピュータを使って予測されています。

それでも難しいのは、「新宿駅周辺で15時50分ごろに雨」など、ピンポイントな雨の予測。特に、「すでに別の場所で雨を降らせている雨雲」の移動する先は現在でも予測できますが、「これから雨を降らせる雲」からの降雨は予測できません。

が、しかし! 新しい気象レーダを使えば、未来の雨雲をも予報できるというのです。

そのレーダの名は──。

「マルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダ」

略して「MP-PAWR(エムピーパー)」です。内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「レジリエントな防災・減災機能の強化」のもと、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)をはじめとする研究グループにより開発されました。この記事では、このレーダのすごさと2018年7月23日より行われている豪雨直前予測の実証実験の経過をお伝えします。

埼玉大学の屋上に設置されたMP-PAWR (アンテナ部は雨風を避けるためのドームをかぶっている。)埼玉大学の屋上に設置されたMP-PAWR(アンテナ部は雨風を避けるためのドームをかぶっている)

「山びこ」で空を調べる気象レーダ

そもそも気象レーダとは、空に向けて電波を発射し、雨粒に反射して戻ってくる電波を受信することで、降雨の場所や量を観測する装置です。

山に向かって「ヤッホー!」と叫ぶと、声が山に反射して戻ってくる山びこと同じ仕組みです。

降雨の場所は、電波が戻ってくるのにかかった時間から推定します。雨量は、基本的には戻ってくる電波の強さでわかります。雨が強い場所には、大きな雨粒があるので、反射して戻ってくる電波も強くなるからです。

気象レーダは、電波の発信と受信をしながら回転し、周囲360度を隙間なく観測できます。

なぜ気象レーダで未来の雨雲の予測ができる?

未来の雨雲の予測に、なぜ気象レーダが重要なのでしょう。その答えは、急な雨をもたらす積乱雲の大きさにあります。

積乱雲の水平方向の大きさは、数~10kmほど。雨量計は、設置された地点の雨量しか観測できない上に、約17km間隔に1つしかないため、積乱雲による降雨をきちんと捉えられません。

一方、気象レーダは、1基で周囲数十~数百kmを面的に観測できます。

また、積乱雲は縦方向に10kmほど成長します。その過程で上空に雨を溜め込みますが、雲の中には上昇気流があるため、地表には雨粒は落ちてきません。

積乱雲がさらに成長し、雨粒が上空で留まっていられないほど重くなると落下をはじめます。これが、地上に雨が降り始める瞬間です。

この上空に雨粒がある段階で雨雲をとらえようとするのが、冒頭で紹介した「未来の雨雲の予報」です。

積乱雲の中の雨粒の様子を立体的に観測できれば、これから雨を降らす雲からの降雨も予測できるのです。

積乱雲の成長と降雨積乱雲の成長と降雨

観測していたら「降り始め」に間に合わない?

立体観測は、気象レーダで電波を発信する高さを変えれば、可能!! ……なのですが、ここに技術的な課題がありました。

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