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「長すぎる執行猶予」という名の余生をどこで過ごすか…街の選び方

スープが冷めてもいいじゃないか

ひとり暮らし、1.5倍

高齢者を巡る沿線文化を論じるのなら、高齢者の暮らしの実態にまで迫る必要がある。なかでも、お年寄りが誰と暮らしているかという世帯の構成は大いに気になるところだ。

その前に、高齢者の世帯構成について簡単におさらいしておこう。図表1を見れば分かるように、東京23区の最大の特徴は、全国平均の1.5倍、東京圏と比べても1.4倍近くにのぼるひとり暮らしの多さにある。

図表1

後で少し詳しく述べるが、23区でひとり暮らしの高齢者が多い理由のひとつに、未婚の高齢者が多いことがあげられる。しかし、それだけではない。住宅事情と福祉施設用地の限界から、三世代同居と施設入居者を合わせて1割にも満たない東京では、子どもが結婚あるいは独立し、配偶者が亡くなれば、やがてひとり暮らしへと進む道を避けることができないという構造が強く働く。

なるほど現時点では、子どもとの同居者は全国平均と比べても見劣りがしないが、それは二世代同居が多いためであり、つまりは晩婚化の裏返しと言えなくもない。親の立場からすれば、何とも皮肉な結果である。

高齢者のひとり暮らしを「独居老人」と呼ぶと、やがて孤独死へとつながっていく不安で寂しいイメージが溢れ返る。しかし、ひとり暮らしが避けられないのなら、もっと積極的にシングルシニアライフと向き合うべきだろう。東京が独居老人大国になってしまう道を救う答えはそこにしかない。

 

家を選ぶのではなく、まちを選べ

では、ひとり暮らしの人はどこに多いのか。

沿線で言えば中央線。駅で言えば高円寺。他にも、渋谷、杉並、豊島、中野の各区にひとり暮らしが多い駅が集中している。「若者の」ではない、「高齢者のひとり暮らしが」だ(図表2および参考資料参照)。

参考資料
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