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家電業界騒然!Amazonが「原価売り」するたった1つの理由

それでも儲かる「巧妙なしくみ」

アマゾンが書き換えた「家電」の常識

我々は日々、多数の「家電機器」に囲まれて暮らしている。家電業界においては過去、日本メーカーの勢いが強かったが、いまや世界に多数の製品を出荷している「大手家電メーカー」は数えるほどになってしまった。

なぜそうなったのか?

韓国・中国勢との競争もあるが、今回は、また別の観点からその理由を探ってみたい。ヒントとなるのは、家電業界にとっての「Amazon(アマゾン)」の意味合いだ。アマゾンが体現する「家電のサービス化」が、家電業界にどのような影響を与えているかを考察してみよう──。

【写真】家電業界におけるAmazonとは
  家電業界にとってのAmazonとは? photo by gettyomages

「プライムデー」に突出して売れた2種類の家電

アマゾンは、いわずとしれた通販市場の巨人だ。

もともとは書籍販売から始まったサービスだが、現在では衣服から食料品まで、ありとあらゆる品揃えを誇っており、“買えないもの”はきわめて限られている。

なかでも、意外に販売数量が大きいのが「家電」だ。その特性上、大型テレビや冷蔵庫のような、宅配しづらい大型の製品はそれほど売れないが、コンパクトな「デジタルガジェット」的なものは相当数がアマゾンを経由して売れてゆく。テレビについても、画面サイズの小さいものはアマゾンで売れやすい、と家電メーカー関係者が証言する。

じつは、アマゾンは、アメリカではすでに家電流通で2位となっている。

日本での位置付けは明確ではないが、日本国内におけるアマゾンの総売り上げは一兆数千万円規模で、大手家電量販チェーン1グループのそれに近い。アマゾンでの家電製品の売り上げは全体の数割以下だろうから、家電量販店グループに比べるとまだ小さい……、とはいえるものの、「これが一店舗である」「大型で高価な家電は売れづらい店舗である」という視点に立てば、すでに「影響力は十分に大きい」と結論づけてかまわないだろう。

いまや日本有数の「家電量販店」となったアマゾンにおいて、特によく売れている「家電」製品がある。7月16日・17日の2日間にわたって開催された同社恒例のバーゲンセール「プライムデー」では、2種類の家電が突出して売れたという。

その家電とは、「」と「」だ。

前者はいわゆるスマートスピーカーで、後者はテレビに接続して映像配信サービスなどを視聴するために使うデバイスである。要するに自社製の家電が一番売れたわけであり、じつはアマゾンは、「家電メーカー」としても侮りがたい存在になっているのである。ちなみにアマゾンのサイトには、そのものズバリ「Amazonデバイス」と銘打った商品カテゴリーがある。

【写真】Amazon Echo DotとAmazon Fire TV Stick
  Amazon Echo Dot(左)とAmazon Fire TV Stick photo by gettyimages

「Kindle」も「Fireタブレット」も原価売り!?

この両製品に共通するのは、とにかく安いこと。本稿の執筆時点でEcho Dotは5980円、Fire TV Stickは4980円とかなり安価だ。キャンペーン価格になるとさらに安い。

どうしてこんなに安いのか?

米Amazon.com・Amazon Devices上級副社長のデイブ・リンプ氏は、「安い理由? 販売価格が、ほぼ原価に等しいからだ」と説明する。

「我々は、ハード自体を売ることで収益を上げるのではなく、ユーザーがそれを“使う”ことで利益を得るスタイルを採っている。だから、デバイスの販売価格を製造コストに近いところに抑えることができる。購入後に使ってもらうことで、利益が出るしくみだ」

筆者の質問に、リンプ氏はそう答えた。

【写真】デイブ・リンプ氏
  デイブ・リンプ氏 photo by gettyimages

この方針は、Echo DotやFire TV Stickだけに限った話ではない。電子書籍端末の「Kindle」やタブレット端末の「Fireタブレット」などでも同様だ。いずれも他社がつくるハードウエアより安いうえに、機能・品質面でも劣っていない。

ハードウエアの販売によって利益を得なければならない他メーカーとはビジネスモデルがまったく異なるため、彼らにとってアマゾンは、太刀打ちするのがきわめて難しい難敵となっている。

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