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# 転職 # フリーランス # 独立

フリーランスとして独立するなら、結局いくら貯金が必要か

失敗しないための「お金の準備」
会社や組織に所属しない新しい働き方、フリーランス。その自由さに憧れる人も多いが、やはりネックとなるのは「お金」の問題だろう。『』などの著書で知られ、みずからもフリーランスとして活躍する山田竜也氏は、「お金の準備」が何より重要だと自身の経験から語る。では具体的に、いくらあれば大丈夫なのか? 山田氏に教えてもらった。

生活費は1年分あったほうがいい

フリーランスとして活動するために必要な、「お金の準備」について考えていきます。

フリーランスは独立するとき、「最低限必要な1年分の生活費の1.5倍(理想は2倍)」の貯金があると、心に余裕が持てて、精神的な面での基盤となります。

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そのために、まず「自分は、最低どれくらいの生活費がかかるんだろう?」と考えてみてください。都内で1人暮らしだったら、家賃や食費、光熱費などを合わせると、1年間で400万円前後は必要かもしれません。

たとえば、400万円(最低限必要な生活費)×1.5倍=600万円(余裕の持てる生活費)になります。ライターやイラストレーターであれば、営業コストは交通費くらいですから、1年分の生活費だけ考えればOKです。

 

600万円の貯金は、それなりの金額なので絶対条件ではありませんが、予想よりも苦戦したときの余裕がまったく違ってくるので、できるかぎりの貯金は準備しておきましょう。

「なんで余裕が必要なの?」と思った人がいるかもしれませんが、とくに独立したばかりは思ったように仕事が取れない可能性もあるからです。それに仕事があったとしても、価格交渉に慣れていないので、「思ったよりも売上が残らなかった」ということも珍しくありません。

しかも、最低限の生活費がなければ、お客様との価格交渉で弱気になりがちです。「生活のために、何でもいいから仕事がほしい」と、激安でイヤな仕事をする毎日をすごしたくはないですよね。

お金がどんどん減っていく恐怖

「お金がないと余裕がなくなる」というのは、私がフリーランス1年目のときに、「お金がどんどん減っていく恐怖」を味わっている実体験からきています。

当時は、家賃が月24万円の銀座近くのマンションを、うつ病で無職の知人とルームシェアしていました。フリーランスになって仕事がなく、会社員時代にコツコツと貯めていた貯金は、家賃と2人分の生活費のために、どんどん減っていきました。

そして、ついに生活費が足りなくなったのです。お金がないと、仕事はもちろん生活が回らないので、独立して半年後の2007年9月に、国民金融公庫と中央区の制度融資を使って、900万円の融資を受けることになりました。

その融資資金を使いながら、2008年5月に「セカンドライフ(仮想空間を舞台にしたオンラインゲーム)」から「Web マーケティング」へと事業転換を図りました。しかし、当時の報酬は少なく、実績も少なかったので思ったように売上を上げることができません。

それでも、融資の返済に毎月20万円、生活費でも20数万円かかったので、手元の資金はどんどんなくなっていく状態でした。そして、生活費を稼ぐために、報酬の低い仕事や、条件が悪い仕事でも引き受けました。

未来が見えないなかで、「そろそろヤバイ……」ともがいていた私の心は、どんどん病んでいきました。当時はテンションがおかしくなっていたので、妙に朝早く起きたり、夜中に泣き出したりすることもあったほどです。

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