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「明日、死のうと思った」天才と呼ばれた棋士が、うつ病を告白

毎日、電車に飛び込むイメージが…
天才棋士がある日突如、表舞台から姿を消し、世間をざわめかせた。「何かに悩んで死ぬのではない。死にたがるというのが、うつ病の症状そのものなんです」――うつ病の真っただ中で、彼は何を見て、何が起こっていたのか。を著した先崎学九段が明かす、凄絶な「うつ抜け」体験談。

今日より明日がつらい

すこしまえから予兆はあったのですが、自分が本格的におかしくなっているな、と感じたのは、昨年7月の順位戦の初戦でのことです。若手を相手に負けてしまったのですが、それが問題ではない。頭がフワフワして、思考がまとまらない。読みもせず、ふらっと指してしまう。

将棋の内容すら自分では判断できません。でも、これはめちゃくちゃだなということだけがわかるのです。

【こう語るのは、棋士の先崎学氏(48歳)だ。羽生世代と言われる棋士の中でも最も早い11歳で奨励会に入会、永世棋聖・米長邦雄氏に師事する。

17歳で四段に昇段し、プロデビュー。'90年のNHK杯戦では同い年の羽生善治氏を準決勝で破り、棋戦初優勝を果たし、'14年には九段に昇段した。

そんな名実ともに重鎮の先崎氏が昨年9月1日に突然、将棋界から姿を消した。休場の理由は「一身上の都合」とのみ発表されたが、後にうつ病のため入院していたことが判明したのだ。

今年6月に復帰し、自らのうつ病体験を嘘偽りなく綴った著書を刊行した先崎氏が、闘病の日々を赤裸々に告白する。】

 

うつ病になった原因は、自分ではこれだという確信があります。2016年8月から2017年5月にかけて起こった将棋界の「ソフト不正使用疑惑事件」です。

真相を究明するために第三者委員会ができ、日本将棋連盟の理事が会員決議によって解任されるという異常事態が起きていました。

将棋連盟は一種のヒステリー状態、思考停止状態に陥り、個人攻撃が横行して、行政の指導やらスポンサーの契約金の減額などという物騒な言葉が飛び交っていたんです。

私自身、年齢的に将棋界をまとめていかなければならない立場になっており、自分がなんとかしなければ、この業界は終わると本気で思い込んでいました。

そこに、監修していた漫画『3月のライオン』の実写映画化が重なったんです。私はこの映画で、地に堕ちた将棋界のマイナスイメージを払拭して、一発逆転させてやろうと、イベント、取材など依頼されたすべての仕事を引き受けました。

今思えば、自分がなんとかしなければ、とずっと思いつめたこの思考がよくなかった。もちろん将棋連盟の広報課は全力でサポートしてくれました。

しかし、小さな団体のこと、それにも限界がある。そのうちに直接、私の自宅やケータイにお世話になった方からじゃんじゃん連絡が入るようになった。

現場での細かい打ち合わせなど、大半を自分でやらなければならなくなり、事務所兼マネージャー兼タレントを一人でやるような状況に陥ってしまったのです。

忙しいことには慣れっこでしたが、それがかえって過信になったのだと思います。それまでの自分の経験ではコントロールできない忙しさでした。そして気がつくと数ヵ月間、2~3時間の睡眠が続いていました。

すると体におかしなことが次々と起こり始めました。朝起きて、朝食をいつものように食べてもまったく疲れがとれない。そして一日中、頭が重い。人間落ち込んで暗くなったり、あるいは仕事が億劫になったりするのはよくあること。

しかし、これまでとは明らかに様子が違うのです。日に日に症状がひどくなっていく。今日より明日がつらい、明日より明後日がつらいという状態でした。

ついには、横になって何もできない日が続き、ほぼ常に胸が苦しくなるという症状が出てきました。横になっていると胸がせりあげてくるような感覚が襲ってきて、浅い呼吸しかできないのです。

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