バブル崩壊…出版不況のなかで探った「現代新書」らしい切り口とは?

Lebaobab現代新書の歩み〈4〉
Lebaobab現代新書の創刊から現在までの歴史を振り返る「現代新書の歩み」、第4回は1994〜2003年。バブル崩壊後、回復の兆しの見えない不況を背景に、出版界には「第三次新書ブーム」が到来。各出版社から新しいシリーズの新書が次々と創刊されました。新書戦争と呼ばれた厳しい競争の中、現代新書も従来の枠にとらわれない様々な切り口に挑戦し、「これからの教養新書、現代新書らしさ」を模索していきます。

「就職氷河期」という言葉が流行した1994年。この年から2003年までを振り返ると、バブル崩壊後の不況が回復しないまま、株価は低迷、雇用状況も悪化し、非正規雇用率が増加。

大手企業の破綻が相次ぐ一方、金融再編も進んだ10年である。

2001年には小泉純一郎内閣が発足、同首相が唱えた「聖域なき構造改革」は暗礁に乗り上げたが、そこで行われた規制緩和は、その後の社会に大きな影響を与えていった。

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「高齢化社会」という言葉が使われはじめたのも、1994年頃からである。この年に65歳以上が14%を超え、2004年には19.5%に(翌2005年に、初めて20%を超えた)。

そしてインターネットやパソコンが急速に社会に普及していったのもこの時期である。

新書市場においては、不況を背景に各社が参入、「新書戦争」と呼ばれる時代となった。

2003年のメガヒット『バカの壁』(養老孟司、新潮新書)などにより、新書のイメージも大きく変わっていく。現代新書シリーズにとっては、「これからの教養新書、現代新書らしさ」を模索した時期でもあった。

 

出版界も不況に

かつて、「出版界は景気に左右されない」と言われていたが、その神話は崩壊した。

1994年の出版界の売り上げは、約2兆5497億円(前年比2.3%増)。成長幅は鈍化し、1996年をピーク(約2兆6980億円、前年比3.6%増)に、その後マイナス成長に転じる。2003年には同約2兆3179億円(同4.9%減)となった。

この時期を語るキーワードは「インターネットの普及」「新書戦争」だろう。

インターネット書店の開設が本格的に始まったのは1999年頃から。

2000年11月には、アマゾン ジャパンが設立、営業を開始した。国内でもネットを活用した販売の取り組みは進んでいたが、米国大手の参入は「黒船」とも呼ばれ、衝撃的であった。

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その後、2002年に始まった国内無料配送サービスも、同社のシェア拡大に拍車をかけることになった。

現在につながる流れとしては、高齢化社会を背景に、この時期から「老後の生き方」が一大テーマになっていった。

1994年刊行、現在までに240万部超の大ロングセラー永六輔(岩波新書)を先駆けに、書名が1998年の流行語大賞を受賞した赤瀬川原平『老人力』(筑摩書房)など、ポジティブな新しいイメージで「老い」をとらえる本も現れた。

2001年には、当時90歳の日野原重明・聖路加国際病院名誉院長による(ユーリーグ)がミリオンセラー、2002年、石原慎太郎都知事(当時)による(幻冬舎)も同年末までに82万部に。テーマも長寿の秘訣や、自分らしい晩年の生き方などに広がっていった。

世界的ベストセラー「ハリー・ポッター・シリーズ」のブームは、日本でも凄まじかった。

国内では1999年に第一巻(J・K・ローリング)が静山社から刊行され、全七巻で単行本累計2360万部(2008年8月19日時点、同社発表)、発売日には早朝販売を行う書店も現れ、不況の出版界を活気づけた。

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