# レスリング # パワハラ

栄監督「電撃解任」に残る謎…これですべてを終わらせる気ですか?

伊調馨の歯切れの悪さが物語ること
レスリング・栄和人監督が伊調馨選手らへのパワハラを認め、反省を表明した6月14日の緊急会見。そのわずか3日後、至学館大の谷岡郁子学長が栄監督の解任を発表した。謝罪会見を受け、伊調馨選手は、田南部コーチは何を思ったのか――。長年レスリング取材を重ねてきた記者が追う。

あきれた「謝罪会見」

女子初のオリンピック4連覇達成、国民栄誉賞受賞の伊調馨選手(ALSOK)や彼女を指導してきた田南部力コーチに対するパワーハラスメントが公益財団法人日本レスリング協会の第三者委員会によって認定され、強化本部長を辞任した栄和人至学館大学監督が、6月14日、緊急「謝罪」会見を行った。

レスリング協会から会見のリリースがメールで送られてきたのは前日。対象は、1週間前に締め切られた全日本選手権(14~17日、東京・駒沢体育館開催)への取材申請者のみ。大会初日、試合開始40分前に始まり、20分限定……とここまで書いただけで、「会見ありきの謝罪」であることは明確だ。

冒頭、栄氏は「まず伊調選手、田南部コーチに深くおわびしたい」と謝罪。その後は用意してきたコメントを読み上げ、質疑応答となったが、昼からのワイドショーが会見の模様を伝え、翌日の朝刊各紙が報じると、「全く見当はずれ」「反省しているのか」「開いた口がふさがらない」「あきれてものが言えない」「卑怯」などと栄氏への非難が集中した。

 

読み解く3つのポイント

この会見を読み解くポイントは3つ。

まずは、記者から質問された「パワハラの原因」についての栄氏の答え。

「(パワハラがあった)8年前に私自身どういったことを言ったか覚えていないが、“コミュニケーション不足”が過去のような事態を生んだと深く反省している」

「田南部コーチはすばらしい指導能力があるのに伊調選手に費やす時間が多く、ほかの選手も見て欲しいという思いから“行き違い”があった」

コミュニケーション不足、行き違い……第三者委員会、さらには内閣府が深く突いて認定したパワハラをどう捉えているのか。反省のかけらも見うけられない。

問題は栄氏だけではない。レスリング協会・福田富昭会長は「自分が伊調選手に直接会って話をすれば、“誤解”は解ける」と語り、高田裕司専務理事は「パワハラと“認められたことは残念”」と発言。

さらに、内閣府に処分内容や再発防止策をまとめた「報告書」を提出した日に、協会広報副委員長兼編集長が書いた栄氏を絶賛する記事「【特集】世界一を目指す選手との間に乖離なし! 明治杯での10階級制覇を目指す、至学館大・栄和人監督」を公式ホームページに掲載(半日後に削除)した協会自体も、どこまで反省し、アスリートファーストを実現できるのか。はなはだ疑問である。

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