「すぐに返信しない男」と「既読スルーを我慢できない女」の脳の違い

日本人の脳に迫る①

「男はいっつもこうだから」「だから女はダメなんだ」。男と女が永遠に分かり合えない理由は、脳の違い、に原因があった…?『サイコパス』『シャーデンフロイデ』などのベストセラーの著者で、脳科学者の中野信子さんが「日本人の脳」について解説する新連載。第一回目では、「男と女の脳の違い」を論じる――。

女性の方が不安になりやすい理由

例えば恋愛シーンで、男性がなかなかメールの返事をくれないので不安になったり、ラインに既読がついているのに何の音沙汰もないのでイライラしてしまったり、という女性は少なくないようです。

恋愛シーンではなくても、「男性のほうがどうも頼んだ仕事に着手するのが遅いなあ、本当にこの案件を大切に思ってくれているのだろうか」「女性のほうが計画的にきちんと仕事をこなしていくなあ」などという印象を持っている人もいるかもしれません。

もちろん、男性でも綿密な計画を立ててきちんとお仕事をする人もいますし、女性でもややおおらかすぎる人もいるでしょう。

ただ、男女でどうも行動パターンに差があるような気がする、という何かがあるとき。これは単なる印象に過ぎないのでしょうか? それとも何か、生理的な現象にその理由を求めることができるのでしょうか?

 

もしかしたら、こうした行動の性差には、「セロトニン」という神経伝達物質が関与している可能性があります。性差の問題はデリケートですから、議論は慎重に行わなければなりませんが、ただ、女性は男性に比べて、セロトニンの合成能力が低いということはPET(陽電子放射断層撮影法)による画像実験で確かめられています。セロトニンは安心感の源になるとされる物質です。

つまり、女性のほうが男性よりも「不安になりやすい」というわけです。

脳内におけるセロトニン合成能力は、男性のほうが女性よりも52%ほど高いということが上記のPETによる実験からわかっています。また、セロトニンが不足していることがうつ病の原因になるとも考えられています。

大うつ病性障害に関する複数の論文をチェックすると、男性の生涯有病率が5~12%、女性が10~25%であり、共通して女性が男性の約2倍、生涯有病率が高いことが示されています。

セロトニンが少ないことが不安傾向の強さと相関する、ということは、どのような振る舞いの差としてあらわれてくるのでしょうか。

不安感の強さが端的に反映されるのは、リスクの見積もりです。

セロトニンが少ないと不安感が強くなるため、より現実主義的で先々のリスクを正確に見積もり、その結果、できることを先延ばしにしないのです。長い歴史にあって、楽観的になりすぎず、常に危険に対処しようとする傾向が女性にあったことが、われわれ人間が生き残ってくるために必要な条件であったとも考えられます。

なぜなら、女性の不安傾向が高いことによって、その子どもがリスクを回避できる確率が高くなり、より多くの個体が生き延びられるようになるからです。ただし、セロトニンが少なすぎるとうつ病を発症したり、極度の不安にさいなまれてまったく動けなくなってしまったりするので要注意です。

一方、男性はセロトニンの合成能力が高い。つまり、女性と比較すればやや楽観的なので「今日できることは明日でもいい」などと思ってしまい、仕事や頼まれた用事などをすぐにやらない傾向があります。

ところで、子どものころの成績は男性よりも女性のほうが良かった、なんていう記憶を持っている人はいないでしょうか? 

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