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この国はもう復興を諦めた? 政府文書から見えてくる「福島の未来」

復興の成果を自画自賛しているが…
あの大震災から7年、復興は進んでいるのだろうか。政府はその成果を自画自賛しているが、現実は大きく異なっている。首都大学東京准教授の山下祐介氏が、政府文書を読み、復興政策の矛盾を問う。

前編はこちら:福島原発事故から7年、復興政策に「異様な変化」が起きている http://lebaobab.info/articles/-/54779

多くの人が帰還する――政府の根拠は?

いくつかの政府文書を見てもわかるように、政府が福島の復興として被災地に打ち込もうとしている政策・事業は、被害者の救済からどこかで転換し、被災地への巨大な事業投資そのものを目的とするものへと大きく変わってしまっている。

かつその事業もとくに成算があるわけではないのに、いくつかの事業に決めうちして(最終的にはイノベーション・コーストと再生可能エネルギーに集約か)、それ以外の事業を細やかに多様に進めていくということにはあまり関心はないようだ。

そして被災者の位置づけも変わってきた。原発事故被災者は大量のふつうの人々である。政府が対象とする被災者も、これまでは今回の事故で避難しているすべての人々だったはずだ。

ところが、あるところから政府にとっての被災者は、あくまで弱者だということになってきている。

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平成27年1月の「」を見ると、被災者はあくまで要支援者であり、政策で設定した支援の対象である限り被災者なのであって、そうした対象を外れれば、どんなに困っていてももはや被災者としては位置づけられない、そんな論理に転換しつつあるようだ。

まして被災者が復興の中身を決める主体になるなどということは許されない。

おそらくそういうことなのだろう。そして逆に、政府が進める復興事業に参加を表明すれば、被災者でなくてもその事業の恩恵が受けられるようになっている。

要するに被災者であるかどうか、復興事業の受益者になれるかどうかを決めるのは政府の方だという状況に展開しつつあるようだ。

 

だが、では例えばイノベーション・コースト事業を実施すれば、本当にこの地を復興させるのに必要な人材がこの地に集まるのだろうか。それはどの程度の確実性を持っているのか。

いま避難元に帰っているという人も、多くは「通う」人たちだ。二重生活は今後も続く。それはイノベーション・コーストで働くことになる新住民にしても同じことだ。

とくに技術者・専門家は、毎日現場にいなくてもよいのだから、この場所には遠くから通うことになる。

「イノベ」では人口は回復しない。そもそもここで短期に着実な人口回復を計画すること自体が無茶な話なのだ。

廃炉は当分できない。無理なのかもしれない。現時点での帰還は被ばくを意味する。たとえ低線量でもそこには健康を損なうリスクがある。

そして万一発病しても被害として認められるかどうかはわからない。被害は自分で証明しなくてはならない。

そんな場所に、多くの人が帰還すると言い切る政府の考えは、一体何を根拠にしたものなのか。

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