提供:国立科学博物館

ぼくたちはなぜぼくたちだけなのだろう 第11回:ジャワ原人の生活

彼らはなぜ滅んでしまったのか?
かつて地球上には、ぼくたちと同じ「人類」の仲間がたくさんいた。彼らはなぜ滅んでしまったのか?

なぜぼくたちだけが生き残ったのか?

人類進化のホットスポット、アジアの化石発掘現場から始まる壮大な謎解きの旅!

ジャワ原人の生活をできるかぎり想像してみる

初期人類遺跡サンギランの博物館を訪ね、実際に化石が出る地層を「巡検」した。それなに? と言われそうだが、ちょっと「巡検」という言葉を使ってみたかった。

地学方面ではよく使われる用語で、広い意味での実地調査、フィールドワークのことだ。化石の産地を巡る市民観察会のレベルでも使われることがあるので、ぼくもジャワ原人化石の産地を巡検してきた、と言ってかまわないだろう。

さて、サンギラン巡検が終わったあとで、考えた。というより、いろいろ想像した。結局、ジャワ原人とはどんな人たちだったのか。

サンギランで出てくるのも、サンブンマチャンで出てくるのも、ほかの重要産地で出てくるのも、基本的には骨だ。それも、頭骨だけとか、顎だけとか、部分的にしか出てこない。

ほかの動物の化石と考え合わせれば、たとえば、ゾウ(ステゴドン)とかトラとか、巨大リクガメとかワニとかいった大型動物が歩き回る世界で彼らが生きていたことはわかる。森林や草原、水辺の環境など、一通りの生き物が出るので、周辺に多様な環境があったことも察しとれる。地層には火山灰の層もあるから、ときどき大きな噴火があるような、火山の大地の生活者だったこともたしかだ。

さらに、単純な石器もときどき発見されるので、そういう道具で切る、削る、掘る、といったさまざまな作業が行われていたであろうとは、想像できる。石器の中で存在が確実視されているのは、「不定形の剥片」と呼ばれるタイプのもので、よく「創作的復元」に使われている石の握斧などは、見つかっていない。

さて、これだけのことを考え合わせて、彼らがどんな暮らしぶりだったか、どれだけ再現できるだろうか。

たとえば、ぼくがジャワ原人を主人公に小説を書くとしたら、と想像する。

まずキャラ造形として、どんな外見にするか。顔のあるサンギラン17号などのおかげで、顔つきについては、ある程度復元できる。ごつい眼窩上隆起が、男だけでなく女にもあったことも、頭骨がたくさん見つかっていることから、確信を持って言える。

しかし身体の骨はあまり見つかっていないので、体つきや、身長の男女差などはよくわからない。たとえば、体の大きさに極端な男女差があったとして、男のほうがかなり大きかったとすると、「彼の大柄な身体は、それだけで女性を惹きつけてやまなかった」と描写できるかもしれない(そのように想像する余地があるかれもしれない)のだが、現状では無理がある。

行動面や文化については、さらに絶望的だ。朝起きてから眠るまでの間、どんな生活をしていたか、どれだけ描き込めるだろうか。

まず、彼らはどんなところで目覚めたのだろうか。洞窟だろうか、簡単な寝床を作ったのだろうか。目覚めたあと、どんな行動をとっただろうか。水場まで行って水を飲むのだろうか。それとも汲み置くことができたのだろうか。

そもそも、どんな集団構成で暮らしていたのだろうか。

大人数で組織的な狩りをおこなったのだろうか。物語としては、古代のゾウ、ステゴドンを狩っていたとしたらすごいシーンになると思うけれど、積極的な証拠はない。シカくらいの獲物だったら可能だったかもしれないと思うのだが、具体的な狩猟の方法は? となると、やはりわからない。サンギランの博物館では、シカを仕留めたジャワ原人の像があったが、あくまで想像の産物だ。

シカを狩って食べようとしているジャワ原人たちの復元(サンギランの博物館にて筆者写す)

もうちょっと可能性がありそうなものとして、巨大なリクガメの狩猟がある。ジャワ原人の時代に絶滅していることから、積極的に狩られたのでしまったのでないかと考えられなくもないのだ。しかし、よくよく考えてみれば、同じ時代にリクガメが滅んだからといって、ジャワ原人が滅ぼしたと決めつけることはできないだろう。

絶滅したリクガメの復元。かなり想像的である(サンギランの博物館にて筆者写す)
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