〔PHOTO〕Arnaud Finistre

ロヒンギャ難民キャンプで、医療支援者が見た「耐え難い現実」

いったい何が起きているのか?

昨年8月終わりに発生したロヒンギャ難民危機。ミャンマー国内のイスラム系少数派であるロヒンギャの人々が軍や治安部隊からの迫害を受け、現在までに70万人近くもの人々が隣国バングラデシュに逃れた。

最近になって両国の政府間で難民の「帰還」に関する合意もなされたが、ミャンマー国内でのロヒンギャの安全確保については懸念も大きく先行きは不透明だ。

大規模な難民キャンプで暮らす人々の日常も見えづらい状況が続き、日本を含む世界からの関心も時間とともに薄れてきているように思える。

医療支援のために日本から現地入りしている国際NGO「世界の医療団(MdMジャパン)」のスタッフにお話を伺うなかで、未来の見えなさから死を口にする人々の姿、難民の中でも特に脆弱な立場にある女性たちを取り巻く問題など、キャンプにおける厳しく複雑な現状が浮かび上がってきた

公衆トイレを使えない女性たち

――現地でクリニックを開設しつつ、広大なキャンプを歩いて一人ひとりの健康状態を聞いて回っていると伺いました。現地ではどんな病気や症状の方が多いのでしょうか。

取材に応じてくださったMdMジャパンの具貴香さん。看護師の木田晶子さんもオンライン通話で参加。二人ともバングラデシュの難民キャンプから日本に一時帰国したタイミングでの取材となった。

具貴香さん(以下、具): いくつもの難民キャンプがバングラデシュ東部のコックスバザールという都市の周辺に存在しています。私たちは「クトゥパロン」というその中で最も大きいキャンプを拠点に医療的な側面での支援をしています。

具体的には広いキャンプの中を一軒一軒戸別訪問し、健康面での問題がありそうな方にクリニックに来るよう促しています。

ターゲットグループは大きく分けて4つ。5歳未満の子ども、15~49歳の女性、15~49歳の妊産婦、60歳以上の高齢者です。

――特に脆弱性が高い層を中心に回っているんですね。

木田晶子さん(以下、木田): よくある症状はグループごとに違うのですが、子どもの場合はやはり栄養失調が一番多いです。次に下痢です。

難民キャンプで医療活動に従事する木田さん(写真:MdM Japan)

――水回りの環境も良くなさそうですね。

木田: はい、他の団体の援助で公衆のトイレは設置されているんですが、必ずしもみんながトイレで排泄をするというわけではないんです。竹と黒いビニールでむき出しの山肌の上に建てた掘っ建て小屋のようなところに住んでいるのですが、その中の地面の端に穴を掘ってそこから排泄することも多いです。

若干の高低差を利用して、その穴から家の外へと流れ出すようにしているのですがもちろん不衛生で匂いもします。そして、そのすぐ側で子どもたちが遊んでいたりするので下痢にも罹患しやすい。ただでさえ食べ物が十分でない中で、そこに下痢が加わって栄養失調になることも多いです。

 

――なぜ公衆トイレではなく家で用を足すのでしょうか?

 特に女性にとって公衆トイレを使うことが難しいという問題があります。トイレは男女共用なのですが、列に並んでいると女性であるということを理由に男性から「列の後ろに回れ」と言われるなどハラスメントも多々あるらしいんですね。

――ロヒンギャの人たちの中での話、ですよね…?

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