銀座の象徴といえば四丁目の銀座和光だ Photo by Getty Images

銀座・泰明小が「アルマーニ服」にこだわらざるを得なかった理由

生き残りをかけているからこそ…

大騒動となった銀座・泰明小学校の「アルマーニ標準服」導入。議論のポイントは「公立小学校とは何か」「公立小学校で貧富格差を助長するようなことがあってよいのか」というところだったはずだが、むやみな校長叩きや、保護者批判にまで及ぶ向きもあった。

ジャーナリストのなかのかおりさんが、自身の経験を踏まえてアルマーニ問題から見えてくる「ブランディング」の実情を分析する。

噂に絶句した日

東京都中央区銀座の泰明小が「アルマーニ標準服」を導入するという報道を受け、区の教育員会に批判が相次いだ。泰明小は区内の学区外からも入れる「特認校」として人気。「公立小で高額なブランド服はおかしい」と批判がある一方、「泰明小の保護者は教育熱心で、裕福な家庭が多いのだから」との声も聞く。

このように特別さを求める親や学校を、私は責められない。新聞社を辞めてフリーで仕事する中で、特色を打ち出す「ブランディング」がいかに大切かを痛感しているからだ。

 

「銀座の泰明小はアルマーニの制服で40万円するんだって!」。今年1月、娘の習い事に連れて行った時、ある母親が興奮ぎみに言った。その場にいた数人の親は皆、呆然として言葉を失った。私も頭の中で思いが渦巻いた。銀座といっても公立小なのだから、ぜいたくすぎる。保護者は賛成なのか?

親たちからは「泰明は特認校で人気だしね」「土地柄、お金持ちが多いといっても払えない家庭もあるんじゃない?」と様々な意見が出た。泰明小に通う子の保護者に聞くと「基本の上下で4万円ぐらいと聞きました。在校生は必要なくて、新1年生からだそうです」。

私たちは、「他の公立小の制服は2万円ぐらい。ブランド料込みで4万円なら……」と納得してしまった。この後に「セーターや小物も含めると9万円」と報じられ、大騒動となった。

海外でも制服のある小学校は私立のエリート校が多い Photo by iStock

小学受験から始まる「ブランド作り」

中央区にずっと住んでいて、子育て歴も長い女性はこう語る。「泰明は昔からブランドですから。教育熱心な親が多いですよ。そういう環境にいると、自然と受験勉強もする。いい中学という、次なるブランドに向けての足掛かりになるのでは。私立小に行きたいけれど何らかの事情で行けないという人も泰明を選ぶでしょう」

私は一昨年、ある媒体で小中学校受験について記事を出した。その時、慶応大や日本女子大などの付属小に合格させた例や、名門私立小を目指す保護者の体験を取材した。

「幼稚園に行く前にプリント10枚」「体操と絵とお受験の塾に行く」「塾も紹介がないと入れない」「塾で見学する親は、腕組み・足組み禁止」。驚きのエピソードが満載だった。

人気の私立小の学費は、6年間で700万円~1千万円との調査結果も。余裕がある家庭ばかりでなく、ある名門小の保護者から「学費を払うのが大変で、歯の治療ができない母親がいる」と聞いた。そこまでしてスペシャルな教育を受けさせたいという親心なのか。

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