カーリング女子日本代表に帯同する、あのイケメン外国人は何者か

ブラピ似と評判!
竹田 聡一郎 プロフィール

1分間の「タイムアウト」こそJDの出番

その人柄については、誰に聞いても「ナイスガイ」と帰ってくる好漢である。われわれ、記者陣にも分け隔てなく接してくれて、必ず最後には「See you soon」と笑顔で握手をしてくれる。

生活のベースはカナダだが、シーズンの半分近くを日本で過ごすため、箸の使いも上手く、寿司や天ぷら、特にラーメンが大好きらしい。平昌五輪直前の男子代表の軽井沢合宿では選手と共にレア気味の焼き鳥を旨そうに頬張っていたそうだ。

肝心のコーチングについても、選手の信頼は厚い。

「感謝しかない。いつもピーチクパーチク言う私たち一人一人をしっかり見てくれる。彼がくれた『自分自身を信じて欲しい』という言葉を胸にカーリングしています」(LS北見・吉田知那美)

「一歩引いたところで、それでもしっかりとチーム全体を見ていて、効果的な意見を複数くれる。カナダ合宿などは彼のサポートがなければ厳しかった」(SC軽井沢クラブ・両角公佑)

 

両角公佑の言う「サポート」とは、カナダ遠征のアレンジのことだ。大会出場のスケジュールについてはチーム単位で決定と申請を行うが、その間の試合がないウィークデーの練習で使用するホールの手配に苦労するのが通例だ。この遠征では、その手配をJDが一手に引き受けてくれた。

カルガリー市内にある会員制高級総合スポーツ施設のリンクをJDが貸切で抑え、男女代表は思う存分に個人の課題を消化した。その週末の大会では、男女揃っての決勝トーナメント進出を果たし、「時間を無駄にしない充実した合宿が組めた」と誰もが万能なこのコーチへの感謝を口にした。さらに巨大なバスをレンタルして、空港まで女子代表を送迎。タフな雪道のドライバーまでこなす八面六臂の活躍だった。

そのJDが、今回の五輪でもっとも注目を浴びるのは、「タイムアウト」になるだろう。

カーリングではゲーム中に作戦面で迷った際、コーチをアイスに呼ぶ1分間の「タイムアウト」を取ることができる。

男子代表のSC軽井沢クラブの「タイムアウト」では、チーム結成時からのコーチで「もはや家族」とメンバーも公言する〝グレイト・ピジョン〟こと長岡はと美コーチが、メガネを光らせてザーマス感満載に降臨するが、女子代表でこの役割を務めるのはJDである。細身のブラッド・ピットといえば少し大袈裟だろうか、母方がイタリアにルーツがあるらしいこの伊達男が、「タイムアウト」になるとアイスに見参する。

平昌へ飛び立つ直前。空港での取材にも快く答えてくれた

残念ながら2016年に結婚したが、女性がカーリングに興味を持つきっかけになるかもしれない。ぜひテレビでその勇姿を堪能してほしい。

競技の中継中は、ピンチのとき、あるいはショットセレクションが定まらず煮詰まっているときに画面に現れるだろう。局面を変える重要な役割も担うので、彼らの1分間のミーティング「タイムアウト」の内容にも注目だ。

2月19日、彼の母国・強豪カナダと決戦!

来季以降だが、昨シーズンが終わる時点では平昌五輪までの契約だったが、関係者によると五輪後の来季以降も続投の方向で五輪終了後に改めて契約内容の交渉の席に着くようだ。

その一方で、日本カーリング界は彼に依存している部分があることを指摘せざるを得ない。

現段階で彼の続投はベストではあるが、一方で彼の持つノウハウや知識を国内の指導者にフィードバックする動きが十分かといえば、そうとは思えない。いつかは彼も去る日が来る。その日に備えて次の指導者を育てる、あるいは探すことを同時に行っていかなくてはならないだろう。それが次の4年間の大きな課題になってくるはずだ。

JDは2月19日(月)、32歳の誕生日を迎える。この日、女子代表は、早朝9:05から、彼の母国で金メダル候補大本命のカナダと対戦するのだ。

LS北見のメンバーは、愛するJDに最高の誕生日プレゼントを贈ることができるか。番狂わせへの期待はいやが上にも高まる。