正月の北京で感じた「実験国家中国」のとんでもない変化

経済発展か、原点回帰か

2018年新年快楽! このコラムは、現代ビジネスの発足当初からの連載で、今回が391回目、まもなく丸8年を迎えます。今年も、深く斬り込んだ中国分析をお届けしたいと思いますので、ご愛読よろしくお願いいたします。

北京のランダムウォーカー

中国という国は、周知のように日本とは統治形態が異なる社会主義国である。

そのため、政府というのは元来そういうものであるけれども、日本以上にアピールしたいことは大宣伝し、都合の悪いことは隠そうとする傾向がある。日本のように政府に対する野党のチェック、マスコミの監視、そして有権者の審判がないから、為政者側の意思によって、いかようにでもできてしまうのだ。

そのような日本とはまったく勝手の違う中国を分析していく上で、私が有用と考えている手法の一つが、「定点観測」である。

「定点観測」とはつまり、一旅行者として、街の景色や通りの往来、交通事情、店舗の様子や価格、人々の会話や表情、現地の新聞やテレビが伝えていることなどを、つぶさに観察していくのである。その際、決めているのは、オープンになっているものだけを観察の対象にするということだ。あくまでも一旅行者の視点から、中国を眺めていく。

私は「正月の北京」で、こうしたことを丸25年やって来た。25年も積み重ねると、いろんな「変化」が見えてくるし、感じることも多い。

例えば、コンビニのおにぎり一つとっても、値段から包み方、店内での位置、種類、味などが、一年前とは微妙に変化している。店員も、地方出身者から北京の学生に変わっていたり、バイト代を聞くと上がっていたりする(実際、一年前に月給3000元と答えたコンビニのバイトが、今回は4000元と答えた。だがツナのおにぎりは3.6元で、値段の変動はなかった)。

 

そもそも、「中国人は冷たいものは食べない」という常識を覆して、おにぎりを電子レンジで温めるという「発明」をしたのは、私の定点観測によれば、2009年の北京のセブンイレブンからだ。以後、コンビニのおにぎりが中国で浸透していった。いまや「飯団」(ファントゥアン=おにぎり)という単語は定着した感がある。

こうしたことは、積み重ねていかないと見えてこない。だから滞在中は、ひたすら外を歩いて、多くの事物に触れていく。

嬉しいのは、以前はたった2線しかなかった地下鉄が、この正月で20線になったことだ。しかも無人自動運転列車や、ミニ・リニアモーターカーまで走り出した。

ただ、東京よりちょうど10度気温が低く、寒波も吹き荒れる北京の真冬の街歩きは、年々しんどくなってきており、いつまで続けられるかは不明だが……。

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