激変する「不倫」事情〜男が恋を、女は刺激的なセックスを求める時代

主役はバブル世代のダブル不倫

携帯電話の普及前と普及後で変化を遂げた不倫模様

今年は年明けから「不倫」の話題でもちきりだった。不倫そのものがバッシングされているというよりは、発覚後の当事者の対応によって世間の評価は変わることが非常に興味深かった。

17年近く、市井の人々の不倫模様を取材し続けてきたが、この間、「不倫の恋」も少しずつ変貌を遂げてきている。

もっとも大きい変化の要因は携帯電話の普及だ。誰もが携帯電話を持ち、個人同士で連絡をとれるようになってから不倫は「恋心と情熱の高まりによってやむにやまれずしてしまうもの」から、「なんとなくしてしまうもの」へと変わった。SNSの普及によってさらにカジュアルな関係へと変化しつつあるのが現状かもしれない。 

当事者たちの組み合わせや意識も微妙に変わってきた。かつては既婚男性と独身女性の組み合わせが多かったが、バブル崩壊やリーマンショックを経て既婚男性に疲れが見え始めたころから、「同世代で本心を打ち明けられる女性と話したい」と言う男性が増えた。独身女性が「不倫なんてコスパが悪い」と避けるようになったことも関係しているだろう。

一方で、既婚女性は「結婚生活と恋愛は別」と割り切っている。もともと若いときに「恋愛至上主義」時代を過ごしたバブル世代が、今の不倫市場の主役なので、双方が既婚のダブル不倫が目立つ。

かつて男性に「妻とはできないことは何か」を問うと、「ちょっとアブノーマルと言われているようなセックス」と答え、女性は「夫とできないのは“恋”」と言ったものだった。

今はほぼ逆転現象が起こっている。女性たちは情熱的で自分が激しい快感を得られるセックスを求め、男性たちは「魂が触れあえるような心の交流」、つまり「恋」をしたがっているのだ。

お互いに優先順位は「家庭」で、会えないときもLINEやメールで連絡をとりつつ、細々と長くつきあっていこうと話し合うカップルも少なくない。それでも家庭を維持させながら恋愛を続けていくのは、時間的にも精神的にもかなり大変なことだ。

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妻も彼女も、どちらも僕の人生にとっては大事な人

「会いたいときに会えない。わかっていることだけどたまにせつなくなりますね」 

アツシさん(56歳)はため息をつく。2歳年下の彼女とは10年越しの仲。互いに家庭があり、月に一度会えればいいほうだからこそ長続きする関係なのかもしれない。

「今は彼女が親の介護で大変な時期。メールで連絡をとりあい、彼女を励ましています。僕は夫ではないから出しゃばるわけにはいかないけど、本当なら手伝ってあげたいくらい。それができないから彼女の応援に徹するようにしています」

会えたときはおいしいものを食べ、ホテルへ行けば彼女の全身をマッサージしてあげる。愛しい女性の心身を少しでもほぐしたいと考えているそうだ。自分の妻がそういう状況に陥ったら、全面的に妻を支えることができるかと尋ねると、アツシさんは苦笑した。

「本音を言えば、妻が親の介護をするようになったら、妻を支えるのは義務だと思うでしょうね。でも彼女に対しては義務ではなくて、心からしてあげたいと思うんです。それが結婚と恋愛の違いなんじゃないでしょうか」 

おそらく彼の言うとおりなのだろう。結婚という形の中では、さまざまなことが義務になる。少なくとも“義務感をもってきちんとやらなければいけないこと”になる。だが恋愛においてはすべてが自主的にやるかやらないか、やりたいと思えるかどうかなのだ。

「彼女とはどちらかの命が尽きるまで、つきあっていこうと話しています。調子がいいと批判されるかもしれないけど、妻も彼女も、どちらも僕の人生にとっては立場が違うだけで大事な人なんです」 

家庭と恋愛とは違う。女性がそう言うようになってから、ダブル不倫の話が非常に多く耳に入ってくるようになった。かつては男性が口にする言葉だったが、今は女性たちもまた家庭と恋愛を分けている。 

お互いに別々の人生を歩んだからこその出会いと恋愛であり、もし独身同士のときに出会っていても恋愛には発展しなかっただろうと冷静に分析する人も多い。

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